■2003/07/11 Fri  



 大阪と東京で、長いサラリーマン生活を送ったので、通勤電車にはいろいろ思い出がある。
 今、USJのおかげで賑わっている咲州線というのは、昔は桜島線といって、大学を出てすぐ工場勤めで、毎朝乗っていた。眠い目をこすり、満員で揺られて、あの殺伐とした美しいとはとてもいえない工場に向かうのは、厭で厭でしょうがなかった。はじめてJR(当時は国鉄)の大阪駅で、桜島行き電車というのを見たときは、ほー、この各駅停車は一体何日かかって九州の桜島までいくのだろうかと思ったものだった。
 東京では、最初川崎に住んだので、東急で通い中目黒から日比谷線の地下鉄に乗り継いだ。何年か前に、脱線衝突事故があったあの場所を通っていた。東急も混んでいたが、関西の阪急に似て、ぼくの好みの路線であった。
 その後、埼玉の草加に住んで、ラッシュの極みというのを味わった。東武伊勢崎線から北千住で地下鉄日比谷線に乗り換えるのだが、この北千住駅のラッシュが日本一混むところで、なぜ人間がホームから転がり落ちないのか不思議なくらいであった。ホームに立つのが怖いので、出来るだけ乗り入れ直通の電車に乗るようにしたのだが、勝手に会社を辞めて自分から選んだ好きな道とはいえ、あの頃はほんとうにしんどかったな。若いから出来たのであろう。それに比べれば、今は極楽である。
 現在、大阪への足としては、時間的な便利さでJRを利用することが多いが、時間があれば阪急電車を利用するのが好きだ。御影から各駅停車に乗って、六甲山の方を見て、岡本、芦屋川、夙川まで、子供に返ったように楽しんでいる。東急の田園調布あたりの景色もいいが、神戸の自然とマッチしたこの雰囲気には及ぶまい。