心理学版・イソップ物語の『北風と太陽』 | 発想の方程式〜知恵が価値を生む時代

心理学版・イソップ物語の『北風と太陽』

田坂広志 さんのニュースレターで次のような内容がありました。
よく知られる「北風と太陽」のお話です。

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 「風の便り」 特選  第53便
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 心理学版・イソップ物語に、
 「北風と太陽」という、有名な話があります。

 北風と太陽が、
 どちらが旅人のマントを脱がせることができるか、
 その力を競う話です。

 北風は、力ずくで無理やり脱がそうとして失敗しますが、
 太陽は、旅人をポカポカと暖めることによって、
 自然にマントを脱がせることに成功するという話です。

 この物語の「心理学版」をご存知でしょうか。

 まず、北風が、
 「俺が、旅人のマントを脱がせてみせる」と言って、
 マントを剥ぎ取ろうと、強い風を吹きつけます。
 しかし、旅人は、寒さのあまり、
 ますますしっかりとマントをつかんで離さないため、
 北風の試みは失敗に終わります。

 ここまでは、同じ物語です。

 そこで、太陽が、
 「私が、旅人のマントを脱がせてみせましょう」と言って、
 旅人を、ポカポカと暖めます。

 すると、旅人は、
 暑さのあまり、自然にマントを脱ぐのではなく、
 太陽に向かって、こう言うのです。

  太陽さん。そうしてポカポカと暖めて、
  私のマントを脱がそうとしているのでしょう。
  でも、残念ながら、
  私は、あなたの思うとおりにはなりませんよ。

 この「心理学版・イソップ物語」は、
 我々の心の奥深くに潜む
 「他者を自由に操りたい」という願望や、
 「密やかな操作主義」の危うさを、教えてくれます。

 なぜなら、
 我々が心に抱く「密やかな操作主義」は、
 恐ろしいほどに、
 相手の心に伝わってしまうからです。



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田坂氏のニュースレーターに書かれているのはここまでです。

幼い頃読んだ『北風と太陽』は
太陽がマントを脱がせることに成功したという結末でした。
しかし、いつ頃からかその結末に違和感を持っていた私は
この『イソップ版』を知った時、「なるほどね」と思いました。
同時に、その違和感がやはり「操作性の危うさ」ゆえだったと受けとめたのです。

さて、そこで皆さんにお聞きしたいのです。
(答えをコメントで書かないでくださいね)

この続きを一緒に考えてみませんか?

「太陽の後に、3人めの登場人物がいるとします。
 そしてその登場によって、見事に旅人はコートを脱ぐとしたら
 あなたは、だれを登場させますか。
 そして、旅人はなぜコートを脱ぐと思いますか?」


正解が決まっている訳ではありません。
もし「こうじゃない?」という答えがあれば
ぜひ次回の発想カフェにお持ちください。

自分のお仕事に直結していても、していなくても
どちらでもOKです。
北風や太陽のように「人以外」でも
旅人と同じ「人」でもOKです。

さあ、旅人がこの先
誰と(何と?)出会い、コートを脱ぐとしたら
それはどんな状況でしょう。

これが前田からの「ピン!ときた」です。
皆さんからの「ピン!ときた」は当日でよろしいのですが
私からの分は、先に提出しておきますね。

【次回の発想カフェ】

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発想カフェ 第7回 トーク編
~「ピン!ときた」をカスタマイズしよう~
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日時:10月13日(土) 14:00-15:40
場所:町家カフェ「月の花」
京都市下京区綾小路堺町東入る綾材木町206-1
075-201-1125

詳細はこちら→ http://ameblo.jp/hasso365/entry-11350932809.html