TBS赤坂ACTシアター


橋本良亮くんの芝居がとても好きだと思ったので、久々ブログを書いてみました。


2度観劇してやっと言葉になりました。

初日は前列すぎて見上げるばかりで感想が書けませんでした。

近すぎて、全体が掴めなかったし、役者の緊張と、わたしの緊張がリンクして震えました。体温まで伝わって来るような錯覚で目眩がしました。


次は遠くて表情がよく見えなかったけれど、全体像がやっと見えました。



最初オーボエのチューニングで始まる。

幕が上がる。

目の前に橋本くんが座っている。

いや、丸い!まん丸すぎる(笑)!


冒頭、膨大な台詞が凄く良い。

今迄の少し舌足らずな感はもはや無い。

耳に心地良い声

どこまでも無邪気で純粋なイワノフ。

天真爛漫だけど、完璧に狂っている。

感情のままにクルクルと舞台を走りまわり、思った事を全部口にして、アレクサンドルに甘える。コミカルでどこか子どもの様だ。


どんな役も自分に引き寄せるが、そこにいるのは俳優の橋本良亮だ。

彼がこの役をやるのは必然なんだろうと思わせる。


長い手脚で指揮する姿も、モブとのダンスも、優雅で美しい。


オーケストラはいるよね?

わたしにも見えるよ。

観客は貴方の味方だ。


堤さんのアレクサンドルは間違いなく巧い。

信念の人

頑なで息子の哀願に耳を傾けない酷い父親なのかな?

ハンストで死ねるとしたら間違いなく狂っている。


シム.ウンギョンは中性的で細くて、心の揺らぎが見えた。

感情がダイレクトに伝わる。

何を曲げてもパパに死んで欲しくない。

本当に可哀想な子どもだった。

とても好きなタイプの女優さん


斉藤由貴さんは本当に遠い昔コゼットで観たな…。

天使だった。

今もとても綺麗

真面目な女教師役。

彼女にとっての信念でサーシャの気持ちをねじ伏せようとする。

彼女は狂っていない。




アレクサンドルとイワノフとサーシャ

全員アレクサンドル.イワノフなのには何か理由があるのだろう。

堤アレクサンドルと橋イワノフだけならラストの大佐の出現で釈放されるために有ると考えられるけれど。

同じ名前だから同室にしたって劇の前半で説明しているし…。


でも3人とも同じ名前???

演劇にする上でわかりにくすぎるのに、あえて同じ名前にする意味はあるのか?


橋イワノフとサーシャは同一人物?

橋イワノフは堤アレクサンドルの幻想?


次観たら答えが分かるのかな?

答えは必要ないのかもしれない。


劣情に訴えかけない、贅沢な芝居。

どの場面も美しい絵画の様で、心奪われる。

オーケストラも質が良く素晴らしい。

ただ、ただ、五感を委ねて楽しめば良いのだろう。


次は心を解放して、難しい事は考えずに、橋本くんの表情をゆっくり見て楽しみたい。

彼は演劇の神さまに愛されている。


橋イワノフは誰よりも自由で幸福そうだった。

オーケストラはいる。