城崎は、絵に描いたような温泉街でした。


メインストリートは真ん中に小さくて澄んだ川が流れていて、アーチ状の石橋がたくさん掛かっています。




レトロなデザインの石橋と石灯に、川沿いに植えられた柳の枝がよく映える。


葉のしだる季節は川面に映ってさぞ綺麗なことでしょう。


川の両岸(というか道の両サイド)には、レトロな宿やお店が立ち並んでます。
レトロと言ってもデザインだけで、建物はキレイだし売っているものはイマドキ(カフェやお洒落なカバンなど)。



駅前からロープウェイの麓まで、かなり長く温泉街が続いています。2kmぐらいありました。



温泉街には「外湯」と呼ばれる入浴施設が7つあります。

「外」と言っても露天風呂ではありません。宿泊施設内にあって宿泊者だけ利用できる「内」湯に対して、誰でも利用できるという意味で「外」湯です。

宿泊客は宿でパスポートがもらえます。
そうじゃなくても1日1,200円でパスポートが買えます。
1施設だけの入浴料は600~700円なので、2箇所行けば元は取れますね。




城崎の宿泊客は、宿の浴衣に身を包み下駄をカランコロン鳴らして外湯をめぐります。


絵に描いたような温泉街に、浴衣姿と下駄の音。

お手本のような光景です!
ある一部だけうま~く写真で切り取るとノスタルジックな風景が撮れる、というのは温泉街あるあるですが、城崎は360度どこを見ても「これこれ!」という「映える」光景が広がっていました。

これは外国人の心を掴むのも納得です。



温泉街の終点まで行くと、ロープウェイに乗ることができます。

山頂まで往復900円でした。
乗り物好きなので乗らないわけにいかずw

山頂の展望台からは日本海も臨めます。


写真中央あたりの、湖のようになっているところは、円山川(まるやまがわ)。

集落になっているところの大部分はついさっきまで歩いていた温泉街だと思うので、こう見ると、城崎が温泉のための街なのがよく分かるなあという感想です。



また、城崎は文学の街です。

文学の街たらしめているのが、志賀直哉「城の崎にて」。

教科書に全文が掲載されているくらいの短編です。

大正時代の作品ですが、難しい表現はなくさくっと読めます。
淡々としていて読みやすいし、内容的にも高校生より大人になってから読んだ方がしっくりきそう。

街並みの描写も多く、目の前の風景と重ね合わせながら読むのも楽しいです。

なお冒頭の1文があまりに衝撃的w


有名作家が城崎を題材に書いた小説を読むのも良いです。
城崎でしか買えないそう。

これは、湊かなえさんの「城崎へかえる」


デザインが面白い(笑)

こちらもさくっと読めます。
前述の衝撃的な冒頭の1文は、湊さんの小説でもネタにされていて友人と笑いました。


志賀直哉が滞在した旅館は今でも旅館として存在しています。



素敵な建物ですね。
宿泊すると泊まっていた部屋も見学できるそう。



また、日本海にほど近いので当然海鮮は最高です。

冬の日本海と言えばカニ!

宿の夕食はカニのフルコースでした。
カニ刺、茹でガニ、焼きガニ、甲羅のせいろ蒸し、天ぷら、カニしゃぶ、カニ鍋





朝食にもカニが登場




夕食の茹でガニは食べられなかったので持って帰ったのですが、3日後とかなり時間が経ってから食べたのに、夫は「めっちゃ美味い!」と感動していました。


但馬牛は言うまでもなく最高!



コロッケやハンバーガーも美味でした。
温泉街で食べられます。




他にも地酒、地ビール、スイーツ、温泉まんじゅうなどなど



1日300個限定のカニシルエット入りチーズケーキ、可愛い~



温泉たまごを自分で作ってその場で食べることもできます。




最後にアクセスですが、東京からは空路が良いのかもしれません。
最寄りのコウノトリ但馬空港までは羽田から2時間程度のようです。

ただし直行便はなく伊丹で乗換え必須だし、空港から城崎温泉まではバスで40~50分かかります。
飛行機は高額のイメージが先行して、今回は選択肢にありませんでした。

その結果私はなんと




東京から夜行バスで行きましたw

WILLERのバスが1日1便出ています。

東京駅21:20→城崎温泉翌10:00
所要時間12時間超え

30代女性の選択肢じゃないw



でも「全然アリ!」というのが感想です。
私はわりと高速バスが好き(コスパが良いし、乗り物移動自体が好き)で、新潟帰省時もよく使っています。
東京~新潟間は5~6時間。
ただ昼行バスは良いのですが、夜行バスで6時間は私にはイマイチかもと思っています。
というのは、睡眠には短いんですよね。
新潟まで夜行バスを使うと「まだ着かなくて良いのにな~」なんて寝ぼけ眼で思うことがしばしば。
到着時間も早すぎて(だいたいam4:30)、まだ朝マックさえ始まっていませんw

一方、今回のバスは12時間なのでよく眠れ、元気に活動できました。
到着時間も10時頃とちょうどよく、着いてすぐ外湯を堪能した(7つの外湯のうち3つが朝から営業しています。すでに大賑わいでした)後、喫茶店でのんびりコーヒーをいただきました。
なんて有意義な午前中(自画自賛)
余談ですが半分夢の中で聞いたバスの車内アナウンスでは確か、京都着がやっぱり朝マック前だった気がしますw
バスは福知山や宮津を経由し、最終目的地である城崎温泉へのんびり向かうのです。

復路は大阪までバスで出て、新幹線で東京へ戻りました。
バスが3~4時間、新幹線が2時間半なので、純粋な移動時間は6時間程度です。
往路の夜行バスと比べて所要時間は半分ですが、大阪までのバスが長いせいか新幹線ワープの効能をあまり感じられませんでした。
価格も、往路のWILLERバスが7,800円、復路は計18,250円(全但バス3,650円+のぞみ指定席14,600円)と倍以上です。

もし再訪するなら、空路>夜行バス>新幹線&バスの順番で検討すると思います。
(航空券は定価は安くないですが、割引がいろいろあるようです。)