私はキャバクラが苦手です。
そもそも女性と会話することに
異常な苦手意識を持っており、
同期の女子と話す時ですら
緊張してしまうほどです。
ましてや、普段の生活で
まず関わることのないような
美人でスタイル抜群の女性の前では
モジモジするしかなくなってしまうのです。
お金を払ってまで
モジモジする気は毛頭ないので、
自主的にキャバクラへ足を運んだことは
記憶の限り一度もありません。
ただ、サラリーマンをしている以上
仕事の付き合いとして、そういう場所に
行くことは年に数回あります。
「今日は“お姉ちゃん”連れてってやるぞ」
などと、嬉々とした表情でを浮かべ、
“キャバクラに連れて行けば男は誰でも喜ぶ”
という考えを持っている
おじさんには知ってほしいのです。
キャバクラが嫌いな人もいるということと、
そもそもキャバクラを「お姉ちゃん」
と言うのが、業界人ぶってて
心底気持ち悪いということを。
以前、あるプロジェクトの
打ち上げで、自分では絶対に
行かないような、高級キャバクラに
連れて行っていただいた事がありました。
普段連れて行かれる
場末のキャバクラとは違い、
女性のレベルが高く、
いつにも増して、無口になる私・・・
緊張をほぐす為に、
酒のペースは早まる一方でした。
すると、私についたキャバ嬢が、
つまらなそうにしている私を見かねて
声をかけてきました。
「口数がすくないですねー?
楽しくないんですかー?」
余計なお世話だな・・・と思いつつも
『ははは・・・』
と、適当に愛想笑いしておきました。
そして、心底情けない返しをしてしまう自分に
情けなさを感じるのでした。
いやーな空気が流れる中、
キャバ嬢が口を開くのでした
「お兄さんモテないでしょ?
キャバクラ楽しめない人はモテないよ?」
・・・・・・
まさかキャバ嬢にまで、
コケにされると思っていなかった私は
呆然としていました・・・
そして立て続けに、彼女は
癪に障る笑い声をあげながら
「お兄さん、風俗好きでしょ??
キャバクラ楽しめない人って
大体そうなんだよねーーー笑」
・・・・・・
世の中の男は大きく二つに
分けられると言われています。
その二つというのは、
風俗に行く男と
風俗に行かない男 です。
私がどちら側の男か、
答えは想像にお任せしますが、
(やはり接待を伴う飲食業で働く女性は
洞察力が優れているなあ)
と、感心しました。
そのあと、なんやかんやで
他愛のない会話が続いて、
お開きの時間になりました。
そのキャバ嬢は元風俗嬢で、
貞操観念が欠落しており、
客とSEXすることになんのためらいもないこと
そういう風俗嬢からキャバクラへの
逆出向組は意外と多い事
アフターからSEXに持ち込むまでの
過程を楽しむのがキャバクラの
醍醐味の一つである事
私みたいな、AVの前半を飛ばして
すぐに本番シーンから楽しむ男には
キャバクラは向かないこと
会話の中で
多くの気づきと学びがありました。
3次会へ向かおうとする
やんちゃな大人を後目に
忍者のようにその場を去る私、
家に帰る道すがら
「お兄さん風俗好きでしょ?」
という言葉を思い出していました。
この言葉、何か違和感があるな・・・
!!!!
(良く考えてみると
男は全員風俗好きじゃねえか!)
メンタリズムは恐ろしい…
千鳥足でそんなことを考えながら
『二度とキャバクラには行かない!』
と心に誓い、
キャバ嬢のLINEアカウントが書かれた
趣味の悪い紫色の名刺を破り捨てるのでした。