今回はハロプロの話題ではないのだが、診断士の口述試験を受けたので感想などを一つ書いてみよう。

12月20日に診断士試験の最終関門である口述試験を受けてきた。
実はもやもやしながら口述試験をうけた。まず、第一に本当に自分が診断士を名乗るほどの実力があるのかどうかということと、この資格をどう活用するか。さらに診断士と名乗る前に実務補修を受けなければならず、どの期間にどの会場を選ぶか、どうやって会社を休むかなどなど悩みが大きい。
2次試験なんかもTACなどが出している模範解答と比べてみても、ピントをはずした思慮の浅い解答をしており本当にこれで診断士と名乗るのもおこがましいくらいだ。
ところで、口述試験の内容だが、自分が受けた会場では年齢が高めのおそらくベテランの診断士が試験官だった。窓を背中にして長机に試験官2名が座り、向かい合わせで机と椅子があり、自分がそこに座る。部屋の広さはあんがいこじんまりとしていて6畳ぐだいだろうか。
大学の一室をつかっているのでコンクリむき出しの壁で、机と椅子以外はなく殺風景そのものだった。黒メガネの先生と白髪のややでっぷりとした先生二人が試験官だ。
椅子に座り生年月日と名前を言った。黒メガネの先生から質問が始まると思いきや、白髪の先生が口火を切った。
「それでは口述試験を始めます。私はC社の社長となって質問しますのであなたは診断士としてそれに答えてください。」
「はい」想定通りとはいえ、一気に緊張がたかまる。
「いやー、最近発注元から相談を受けましてね、在庫を減らしたいんだけどどうしたらいいかねと言われたんですよ、これはうちの会社にとってどんな影響がでますかね」
 白髪の先生は完全に社長になりきっている。口述試験はA社、B社、C社、D社、から4問程度出されるのだが、自分はここで予想を立てていた。C社とD社から出題されるのではないかと予想していた。理由は口述試験は落とす試験ではないため、成績の良い科目と、今後の確認も含めて成績の悪い科目の2つの会社から出題されるのではないかと考えたからである。驚いたことに、いきなりC社である。そしてそのあとD社から出題されたので、自分の予想の正確さに鳥肌がたってしまった。
そんなことを考えていたため、ここで致命的な間違いを犯す。在庫削減の課題はC社の発注元だと言っているのに、C社の在庫を減らすにはどうしたらよいかと、ものすごい聞き間違いをしてしまっていた。実際C社は鋳造工程を増強しすぎていて在庫で悩んでいたため、そこのとだと思い、ペラペラとC社の在庫の問題と解決方法をしゃべったのだが。
「いや、発注元が在庫の積み増しについて悩んでいるので、どんな影響があるかと聞いているんだがね」
「へ?」やってしまった感でいっぱいだった。「発注元が・・・」
「そう、発注元が在庫を減らすとどんな影響がでる?」
「えーと」
「発注回数は増える、減る」
「減ります」
「発注回数は増えるよね」
 そうだ、その通りだ、在庫を減らしたければ頻繁に発注するしかない「増えます」
「そうだね、うーん」白髪の先生は黒メガネの先生と顔を見合わせる。「じゃ、次の質問にいきますか」
「申し訳ありません」そういうしかなかった。もう、すでにパニック状態になっている。
「では、次の質問です、うちではお客さん向けに提案能力をつけたいんだけどどうしたらよいですかね」
 簡単そうで、難しい質問である。製販一体で営業するみたいに苦し紛れに答えると、
「他にはありませんか」
「えーと」
「じゃ、次の質問にいきますかね」
 もはや、あきれモードである。本当にこれ受かるんだろうか。
 黒メガネの先生が質問する。
「私はD社の社長です。うちでは回収関係がうまくいっていません。どうしたらよいですかね」
 これについては、売上高債権回転率がよくないこと、よくするには主要顧客依存から脱して販路を拡大すれば販売条件の交渉力がつき、債権回転率がよくなるのではないか、などと答えた。
 黒メガネの先生と白髪の先生は顔を見合わせうなずいていたので、これはそこそこ無難に答えた。
 本来は4問だったのだろうが、1問目でてこずらしてしまったので3問で口述試験は終了した。
 敗北感でいっぱいだった。口述では99%受かると言われてもかなり不安が残る内容である。致命的な思い込みによる聞き間違いも犯している。
 これで受かったとしても、自分なんかが診断士になっちゃってもいいんですか~。である。