能年ちゃんの海月姫を今頃やっと観れた訳だが、早い意味が心の底から楽しむことができた。
 ストーリの幹はラブストーリの王道を描きながらも、展開が変な意味の意外性があり、味わいのある作品に仕上がっていた。能年ちゃんは素が面白いからコミカルな演技も自然とできるのだろう。

あんな味わいは他の若手女優ではなかなか出せないだろう、能年ちゃんこのまま消えてほしくないなぁ。

 だいたい、女のオタクを主演にする発想が面白い。
 男の三国志好きは漫画の監獄学園でもいたが女の三国志好きを登場人物として入れてくるとは、予想外だった。
 そういえば作者の東村さんは確かゲームの三国志好きだったっけ。アパートに住むオタクの女性たちのある意味サクセスストーリになっているのだが、別の角度からスポットライトを当てるとクローズアップされているわけではないが女性の貧困問題や、特に貧困から自殺する女性の増加問題が想起される。

 能年ちゃんのようなかわいい娘であれば玉の輿のサクセスストーリもあり得るだろうが、一度ニートになってしまった女性たちが底辺から這い上がるのは個人の力でどうにかなるものではない。
 男女平等だとか女性が強くなったとか喧伝された時期もあったが、基本的に女性の方が男性よりも力が弱く、妊娠出産による失業のリスクが高く、女性として生きるのは辛い時代だ。学校でもか弱い女性を男が守るなんて教えたら、それこそ男女平等に反するとして、それを口にすることすらできなかったが、DVの増加はそうした教育を怠ってきたツケではないだろうか。我々男性も子どもと女性は守るものだと再認識するべきなのである。

 とりあえず海月姫のオタク女子たちはニートながらも身を寄せ合って助け合っている。そうすることで救われる命もあるのだと思った。