タイトルは、『黒の舟歌』の最初の部分。
二十歳頃に覚えたと思うが、野坂昭如が歌っていて、
好きな歌である。
女房と結婚する時、二人の間に横たわっていた河は、
飛び越す事が出来、川幅の狭い水の澄んだ小川であると、
お互いが考えていたと思う。
ところが今や、河口付近のアマゾン川や揚子江の様に、
対岸が霞んで見えないほど川幅が広がり、
水が濁って、どんな魚が棲んでいるのか、
川底がどれ程深いのかも判らない。
世の中には30年連れ添っても40年連れ添っても、
澄んだ小川のままの夫婦がいるであろう。
私達夫婦の間に横たわる河は、
30年の歳月が、小川を大河に変えてしまった。
もう、対岸へ渡ろうと一生懸命船を漕ぐ事もないであろう。
『黒の舟歌』 能吉利人作詞・桜井順作曲
男と女のあいだには
ふかくて暗い河がある
誰も渡れぬ河なれど
エンヤコラ今夜も舟を出す
ROW & ROW, ROW & ROW
ふりかえるな ROW ROW
おまえが十七おれ十九
忘れもしないこの河に
ふたりの星のひとかけら
ながして泣いた夜もある
ROW & ROW, ROW & ROW
ふりかえるな ROW ROW
あれからいくとせ漕ぎつづけ
大波小波ゆれゆられ
極楽見えたこともある
地獄が見えたこともある
ROW & ROW, ROW & ROW
ふりかえるな ROW ROW
たとえば男はあほう鳥
たとえば女はわすれ貝
まっかな潮が満ちるとき
失したものを想い出す
ROW & ROW, ROW & ROW
ふりかえるな ROW ROW
おまえとおれとのあいだには
ふかくて暗い河がある
それでもやっぱり逢いたくて
エンヤコラ今夜も舟を出す
ROW & ROW, ROW & ROW
ふりかえるな ROW ROW
ROW & ROW, ROW & ROW
ふりかえるな ROW ROW