全国で信仰されている神社は?
ベスト10は、こちらです。

1)八幡信仰・・・・・・7,817社
2)伊勢信仰・・・・・・4,425社
3)天神信仰・・・・・・3,953社
4)稲荷信仰・・・・・・2,970社
5)熊野信仰・・・・・・2,693社
6)諏訪信仰・・・・・・2,616社
7)祇園信仰・・・・・・2,299社
8)白山信仰・・・・・・1,893社
9)日吉信仰・・・・・・1,724社
10)山神信仰・・・・・・1,571社


 今回は、8番目に多い「白山(はくさん)信仰」について、ご紹介します。

 祭神は、菊理媛神(ククリヒメノカミ)=白山比咩神(シラヤマヒメノカミ)
      伊弉諾尊(イザナギノミコト)
      伊弉冉尊(イザナミノミコト)の3柱です。
    
 菊理媛神(ククリヒメノカミ)は、日本書紀の一書に曰く(あるふみにいわく)に出てくる神様です(古事記、日本書紀の本文には出てきません)。
 日本書紀は、面白い紹介の仕方をしている歴史書で、本文で紹介している物語以外にも、こんな別の伝承や、物語がありますと、「一書に曰く」という形で、別の話も紹介しています。昔は、文字ではなく、話し言葉で物語りを語っていましたから、語り部によって、物語の詳細が異なるのは当たり前でした。この一書の伝承を確認することで、どんな物語が新たに加わったのか?そもそも元の物語は何だったのか?がわかるのです。

 菊理媛神は、イザナキ神とイザナミ神の両神の間を取り持った神様と紹介されています。

 イザナミ神が、迦具土神(カグツチノカミ:火の神)を産み、それがもとで神去って(死ぬ)しまい、黄泉の国(死の国)に行ってしまいます。
 イザナギ神は、イザナミ神を追って、黄泉の国に行きます。しかし、イザナミ神が、黄泉の国の食べ物をすでに食べてしまっていて、地上に戻れないため、最初はイザナギ神の地上に戻ろうと!いう誘いを断ってしまいます。
 
 ところが、話しているうちに、夫がせっかく逢いに来てくれたのだからと、自分も地上に帰りたくなり、黄泉の国の神々達と話し合うことになります。その間は、イザナミ神は、「自分の姿を決して覗いてはいけない」と言い、見ないことをイザナギ神に約束をさせます。

 しかし、いつまで経ってもイザナミ神が話し合いから帰って来ないため、イザナギ神は約束を破って、その姿を覗いてしまいます。そこには、腐敗して蛆にたかられ、八雷神(やくさのいかづちがみ)に囲まれたイザナミ神の姿でありました。

 その姿にびっくりしてしまい、イザナギ神は地上へ向かって逃げ出すことになります。八雷神、予母都志許女(よもつしこめ)などに追いかけられ、髪飾り・櫛・桃を放り投げ、難を逃れます。

 最後に、黄泉の国と地上との境である黄泉比良坂(よもつひらさか)で、イザナミ神とイザナギ神が話し合います。激しい夫婦げんかとなり、この菊理媛神が助言をして、話し合いがまとまり(離婚(ことどわし)が成立)、イザナギ神が無事に地上に戻ることが出来たのです。
 
 ところが、日本書紀には、この時、菊理媛神がどんな助言をしたのか?の内容が書かれていないため(イザナギ神が、菊理媛神を誉めた事は書かれています)、この内容が何だったのか?が、後生の人々のロマンをかき立てることになります。

 この白山信仰は、白山を信仰する、山岳信仰の1つです。
 白山は、富士山、立山とともに、三名山としても有名です(三名山は諸説あります)。
 この白山を開山した、泰澄大師が、天女妙理大菩薩を夢に見て、白山に登頂し、奥宮を作りました。その後、白山妙理大菩薩の垂迹が、白山比咩大神(菊理媛神)といわれ(習合され)、明治の時に神仏分離され、白山比咩大神(菊理媛神)となります。

 本地垂迹というのは、神仏習合思想の一つで、日本の八百万の神々は、実は様々な仏の化身として、日本の地に現れた権現であるという考え方です。〇〇権現という表記は、この神仏習合された「神様」だとわかります。現在では、一部の神社を除いて、この考えは、採用されていません。

 白山信仰の本源は、石川県の白山比咩神社です。白山神社は、白山が見える県に多いと言われていますが(石川・岐阜・富山)、静岡・新潟・愛知も多いようです。

 この祭神を祀っている、地名を冠した白山神社、白山姫神社、白山社などの社号で呼ばれています。 
 
 御利益は、トラブルの仲裁・解決、夫婦円満、良縁成就です。

 次回も、この信仰の対象となっている神社、祭神名を紹介していきます。