全国で信仰されている神社は?
ベスト10は、こちらです。

1)八幡信仰・・・・・・7,817社
2)伊勢信仰・・・・・・4,425社
3)天神信仰・・・・・・3,953社
4)稲荷信仰・・・・・・2,970社
5)熊野信仰・・・・・・2,693社
6)諏訪信仰・・・・・・2,616社
7)祇園信仰・・・・・・2,299社
8)白山信仰・・・・・・1,893社
9)日吉信仰・・・・・・1,724社
10)山神信仰・・・・・・1,571社


 今回は、10番目に多い「山神(やまがみ)信仰」について、ご紹介します。

 山神信仰というのは、いくつか種類があります。いくつかの種類が混ざっているように思います。どんな種類があるのか?というと、
 1)水源となる山への信仰、

 2)火山への信仰、

 3)死者の霊が集う山への信仰、

 4)神霊がいるとされるご神体(神奈備(かんなび)と呼ぶ)への信仰 があります。

1)水源となる山への信仰
 日本は、お米の国なので、特に農村部では、山は大事な水源の1つですから、山に向かって手を合わすことが多くなると思います。
 この山の神への信仰は、春になると「山の神」が馬(地域によっては他の動物もあります、イノシシ等)に乗って、里に降りて「田の神」となり、秋の収穫を終えると、また山に帰るというサイクルになります。

 そのため、春と秋に、神様に対するお祭りを行っています。春は、「お米がたくさん収穫できますように!」と祈念する祈年祭、秋は「お米がたくさん収穫出来ました、ありがとうございます」と感謝を捧げる新嘗祭(収穫祭)です。
 山麓に神社があって、山の頂上に、神社の奥宮があるタイプの神社は、この形式のものが多いかと思います。

2)火山への信仰
 日本は、火山の国です。世界に存在する、火山の10%が日本にあると言われています。昔から、日本では、何処かで火山が噴火していました。それを見ると、人間は神様が怒っていると考えてきたのです。
 
 その神の怒りを鎮めるために、人間が何をしたかというと、その山に神社を建造し、一生懸命に祈りました、平安時代になると、神様に「神階」を贈り、更に怒りを鎮めてもらうように一生懸命に祈りました。この神階というのは、神様の世界の序列になります。歴史の時間に、聖徳太子の冠位十二階を聴いたことがあると思いますが、この冠位は人間の序列を表したものですが、これを神様の世界に広げたものです。


 火山が噴火する度に、「神階」を贈られ続けた神様もいらっしゃるのです。
 富士山や阿蘇山、伊豆諸島(大島、新島、三宅島等)、御嶽山などは、そのような対象でした。
 また、縄文時代の土器を見ると、火山をモデルにしたと思われるものが、たくさん出土されています。縄文人が祀っていたのは、火山の神様だと言われています。

3)死者の霊が集う山への信仰、
 古代の日本では、村などの共同体で亡くなった人の霊は、近くの山を彷徨った末に、浄化されてその山頂から昇天すると考えていたようです。そして、この昇天した先祖の霊と自然物の精霊が融合したものが、後に、氏神(村の守護神)になると思われていました。

 仏教の伝来後は、仏教の考え方も加わり、恐山、月山、熊野三山など、死者の霊が死後に行くとされている山が各地に存在しています。それらの山々が、信仰の対象となっています。

4)神霊がいるとされるご神体(神奈備(かんなび)と呼ぶ)への信仰
 現在は、神社には「社(やしろ)」という建物がありますが、古代には社はなく、神木(神籬(ひもろぎ))、岩(磐座(いわくら))や、山(神奈備山)そのものがご神体として考えられていました。神様は、その場所にいつもいらっしゃるわけではなく、その都度、これらのご神体に、神や御霊が宿る、もしくは降臨すると考えられていました。

 現在も、長野県の諏訪大社、奈良県の大神神社のように、山そのものをご神体として、信仰している事例もあります。

 次回は、この山神信仰の対象となっている神社、祭神名を紹介していきます。