「なんだかEXILEみたいじゃん!」
という私の一言に、
一瞬えっ⁉という表情を見せた
“ミスター・メインVP”こと、店長の中西。
実は予期せぬホメ言葉に虚を突かれただけで、素直に喜んでたようだ。
「HIROって、元ZOOなんですよね!」
と、“ミスター・メインVP”中西が
若いのに意外なことを言うので、
「へぇー、ZOOとか知ってるの?」
と、HIROとZOOだけはかろうじて知ってる私は返した。
さらに、年下に対し異常に負けず嫌いな私は、「オレも実は元ZOOなんだよねー」
と、気がついたら口から出まかせを言っていた。
さらによせばいいのに、
「HIROとは、ダンスバトルをしたこともあるんだよねー」
などと、自分でも信じられない言葉がスラスラと口から出てきた。
もちろん半分は冗談のつもりである。
昔、伝説のクラブ“下北沢ZOO”に行ったことあるし…
関係ないか。
すると、“ミスター・メインVP”中西は、
「へぇー、GMも元ZOOだったんですねぇ」
と、かる~く流してきたのだ。
意表を突く返しに、一瞬私はたじろいだ。
嫌味なヤツだ…
テキトーな話には、テキトーに返す。
この男、いつの間にこんな高等技術を身につけたのだろうか…
あ、私が教えたのか。
侮れない。
この勝負、一旦は私の負けである。
幼稚なウソを簡単に見破られた私は、
恥ずかしさも手伝い
軌道修正を余儀なくされた。
軽い冗談のつもりが、このままだと本気で幼稚なウソをつくオヤジに見られかねないからだ。威厳も取り戻さなくてはならない。
「オレが言ったZOOって、
多摩ZOOとか上野ZOOのことだからな!
オレは動物を見るのが昔から好きなんだよ」
と、いつまでも少年の心を忘れない、シャレの分かる余裕のある大人を演出してみた。
『オレは元飼育員だったんだよ』
という一言は寸前に飲み込んだ。
問題が振り出しに戻る可能性があるからだ。
体勢を立て直した私は、
さらにこっちのペースに引きずり込む為に、
「じゃあブログに写真載せるから、
EXILEのポーズで決めてみろ!」
と、ムチャブリをしてみた。
さっきのお返しである。
すると、いきなり胸を押さえだした
“ミスター・メインVP”に、
「どうした?具合でも悪いのか!」
と、私は声を掛けた。
「違いますよ!
こういうポーズすることがあるんですよ!」
と、“ミスター・メインVP”はやや興奮気味に反論した。
「ホントかよ!」
そういえば私は、EXILEの決めポーズなんか
ちーっとも知らないのだ。
ここで私は一気にたたみかけた。
「オレはてっきり、
三島由紀夫のマネかと思ったよ!」
と、トドメの一言。
三島由紀夫をよく知らない
“ミスター・メインVP”は、
ぐうの音もでなかった。
ハハハ…
私は敗者復活戦を見事に制したのである。
ところでコレ、
一体、何の戦いだったのだろう…
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私が『EXILE』という言葉を初めて知ったのは
ローリング・ストーンズの歴史的名盤❗
“EXILE ON MAIN STREET”である。
邦題“メインストリートのならず者”
“Loving Cup”
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メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより