「無事に第一希望から内定もらいました。
日曜日ならいつでもバイト入れます!」
「さすがだね、タケ!
そうか、よかったな!おめでとう!」
彼は今、大学3年生。今春から4年生だ。
大学の研究室に通いながらの就活である。
私は思わず、月日が経つのは早いなぁ…
と感慨深い心境になった。
(ちなみに彼が成人式の時の記事)
彼と出会ったのは、3年前の4月である。
たまたまお客としてお店に一人で入ってきた彼を、入学直後の心の隙を突き、私がアルバイトにスカウトしたのである。
以前も書いたことがあるが、
実は今までの歴代のアルバイトは5人中5人全員が、私が店頭でスカウトしてきたのだ。(そういえば、現在店長の中西もそうだった!)
求人広告は一切なし。
必要な時に、必要な人が必ず目の前に現れる。
私が狙いを定めたら100発100中なのだ!
しかし…
この類い稀な才能は、
女性に対しては何故か効かない…。
歴代のアルバイト達は、
なぜか高学歴が多いのも特徴だ。
国立大の大学院まで進んだ子が二人もいた。
彼等のそれまでの人生で、きっと私のような変わった大人と出会ったことはまずないだろう。
タイプの違う人間同志というのは、
時として、いいケミストリーが生まるから不思議だ。
今までに、卒業するまで辞める子は一人もいなかったのだ。
みんな真面目で仕事ができるし、
覚えも早い。
私のクダラナイ話にも嫌な顔せず付き合ってくれる。
深夜のコンビニのバイトで、
無断でホットドッグを食べてクビになった私とはワケが違うのだ。
特にタケの場合は、物怖じせず丁寧な接客もこなし、我々のミスまで指摘するほどである。
しかし…
我々アパレル業界を取り巻く環境は、年々厳しくなっているのも事実。
昔ほどアルバイトの仕事を必要としなくなってきたのである。
とは言っても、全く必要ないというレベルではない。
2年前のある日、私はタケに事情を話し、
バイトの回数を減らしたい旨を伝えた。
彼にしてみたら、当てにしていたバイト代が減ってしまうことになる。
あくまでこちら側の都合だから、
これで辞められてもしょうがないなと、
私は思っていたのだが…
彼は意外なことを言ったのである。
「もし可能でしたら、他のバイトと掛け持ちでやってもいいでしょうか?」と。
「オレは全然構わないけど、そんなこと可能なの?」と、私は言った。
すると彼は、
「ハイ。この店は辞めたくないので籍だけは置いといて欲しいです。
ここに来ると楽しいし、雰囲気がとても温かいので、ここ大好きなんです。
バイト代は他のバイトで稼ぎます。
もちろん必要な時は、こっちを優先します!」

”皆さん、ちゃんと読みましたか?
ここ、感動するとこですよ!“
泣かせるセリフを言った彼は、
実際その後、大型スポーツ用品店でのバイトも始め、こちらの人手が足りない時だけ来る変則パターンが確立されたのだ。
そんな彼も研究室に入り、
本格的に就活を始めた昨年末…
掛け持ちでバイトをする時間的余裕がなくなった彼は、迷わずスポーツ用品店のバイトを辞めてきたという。
冒頭の電話は、
「数ヵ月は就活に専念して、いい結果が出たら連絡します!」 と宣言した正月のバイトから僅か2ヶ月目であった。
そして、
《マルコとマルオの7日間》
で人手が足りない今日は、
久し振りにタケのバックアップで乗りきったのである。

一期一会…
つくづくお店というものは、
人が 集まり、
人と人とが 出会う 場所なのである。
そして、お客様一人一人も例外ではない。
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「Anderson Bruford Wakeman Howe」
゛The Meeting ゛
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メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより
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