商売道具が… | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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人にはそれぞれ、その生業とする仕事に、
決して欠かせない商売道具というモノがあるだろう。

人や仕事によっては、それが命の次に大事なモノかも知れない。

我々洋服の販売員に欠かせないモノといえば、やはりメジャーである。
コレがないと採寸できないからだ。

各販売員がmyメジャーを携帯しているから、それぞれにコダワリや愛着があるはずだ。

私が昔から愛用しているメジャーは
こちらである。
                                  ダウン

ドイツのヘキストマス社製の通称゛レインボーメジャー゛と呼ばれる丈夫なメジャーだ。ポリファイバーを使い目盛りも消えにくく、表面はイタリアンカラーで10㎝ごとに色分けしてあるのだ。

視認性が良いだけでなく、
目立ちたがり屋の販売員にとって、
首からぶら下げた姿も絵になるので
愛用者も多いのである。

私は目立ちたがり屋ではない?ので、
必要な時以外は店のカウンターに置いている。

ところが…

命の次に大事な?私のメジャーが、
神隠しのように見当たらないことが時々あるのだ。

ある時…

「あれぇ、俺のメジャー知らない?」
と周りのスタッフに聞くと、

「えっ?メジャー無くしたんですか?」
と答える店長の中西の首から、私のメジャーがぶら下がっているではないか❗ 
命の次に大事なメジャーが❗



「お前、それオレのだろ

現行犯逮捕である。
その後も何度かあったから、
今では前科ありの累犯だ。


そして先日…

またもやメジャーがない!
命の次に大事なメジャーが❗

しかも重要容疑者の中西は、
その日休みである。

昨日までは確かにあったのである。

゛まさかアイツ、遂に家にまで持って帰ったんじゃないだろうか…゛

「間違いないでしょうねぇ…」
私の推理に頷く他のスタッフ。

店長の中西という男は、
真面目な努力家で
責任感も強く人当たりも良いから、
多くの人に慕われている
とてもいい奴だ。

しかし…
使ったモノを元に戻さない男でもある。

これは一緒に仕事をした者にしか分からないことだが、彼はその事で何度も厳重注意を受けているのだ。

結局その日私は、自分のメジャーを使うことができなかったのである。
命の次に大事なメジャーを❗

お店が営業中だから、わざわざ家宅捜査に行くわけにはいかなかったが、
関係者への聞き込みも終了し、
状況証拠もほぼ出揃った。

翌日出勤してきた中西に、
私は早速取り調べを行った。

最初驚いた表情を見せた中西であったが、
事態を呑み込みあっさりと自白した。

自分のバッグの所へ行き、中からおもむろに私のメジャーを取り出したのである。
命の次に大事なメジャーを❗

落ちである。

情状酌量の余地なぁし❗


そして私の説教が始まった。

「オマエのやったことは、徒弟制度の厳しい大工の棟梁の大切な道具を、弟子が勝手に持ち帰るようなものだぞ!」とか、

「落語の師匠の羽織と扇子を、前座や二ツ目が勝手に身に付け高座に上がるようなものだぞ!」とか、

「横綱のまわしを、幕下力士が勝手に身に付けて相撲をとるようなものだぞ!」

……などと続けていくうちに、
だんだん楽しくなってきた。

もっと面白い喩え話はないだろうか?

私は中西に、
「もっと面白い喩え話を言ったら、執行猶予を付けてやる」
と交換条件を持ち掛けた。

すると彼は、
「勝手にGMの下着を身に付け、GMの歯ブラシで歯を磨くというのはどうでしょう」
と言ったのである。

面白い喩え話どころか、あまりにもリアリティーがある話に私はゾッとした。
コイツならやりかねない…。

しかもポイントがややズレている。

私は一瞬無期懲役を宣告してやろうかと思ったが、もうどうでもよくなってきた。

「いいか中西。こんな事をしたら相手がどんな気持ちになるか、慮ることができないようではプロの販売員は務まらないぞ!
相手の気持ちに寄り添い、想像力をもっと働かせるのだ!」

などと言って、
とりあえず締めくくったのである。


そして 判決(Judge)は…

「この話をブログに掲載する」であった。

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ということで今日の一曲は、

10 cc」
゛Good  Morning  Judge゛


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メンズビギ  マルイシティ横浜店  GMより

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