それにしても、
食べるものにも困らない
この豊かな時代に、
よりによって身長160㎝台の
健康な男子が4人も集まるなんて、
奇跡としか言いようがない❗
これじゃあ、
スモールフェイセズではないか❗
と言いたくなる。
が、しかし、
誰も意味が分からないらしい。
「何言ってんの?このオッサン」
みたいな顔をしている。
私は思わず、
「君達、モッズを知らないのか?」
と聞いたら、
新メンバーの仁田君は,
「知ってます」
と答えた。
「じゃあ゛さらば青春の光゛っていう
映画観た?」
とダメ元で聞いたら、
「ハイ、観ました」
と答えるではないか。
なかなか見所のある男である❗
どうやら服飾専門学校で習ったそうだ。
ウーン、いい学校だ。
モッズとは、ユースカルチャーが
花開いた60年代、若い労働者を中心にイギリスで巻き起こった一大ムーブメントだ。
ファッションと音楽をベースにしたライフスタイルであり、現在に至るまで影響を与え続けている。
モッズ族が愛したファッションといえば、
細身の三つボタンスーツやフレッドペリーのポロシャツ、M51(モッズコート)、リーバイスのジーンズ、クラークスのデザートブーツ、ベンシャーマンのチェックシャツ、ロンズデールのスポーツウェア、etc…。
そしてモッズ族が愛した音楽が、
ザ・フーやスモールフェイセズなのだ。
モッズ映画の決定版
゛さらば青春の光゛の原作は、
ザ・フーの「四重性格」だけど、
筋金入りなのは、スモールフェイセズの方である。

モッズ族の間では「クールな奴ら」のことを「フェイセズ」と呼んでいたそうだ。
そして「スモールフェイセズ」のバンド名は、メンバーが全員小さかったことが由来している。
(さすがに160㎝台ではないと思うが…)

さて、その後スモールフェイセズは、
バンドのフロントマンであるスティーブ・マリオットが脱退し、存続の危機に立たされるが、ジェフ・ベックグループから
ロッド・スチュワートとロン・ウッドが
加入した。
彼ら二人は背が高かったので、
バンド名は「スモールフェイセズ」から、
ただの「フェイセズ」に改名したのである。
私は、このフェイセズが結構好きだ。
ストーンズの弟分のようなバンドだが、
ロックの負のイメージがない。
どこまでも明るく陽気な、
酔いどれロックンロールバンドである。
しかし、じっくり聴けば聴くほど、
英国らしい哀愁を感じさせる。
サーカスや旅芸人の舞台を観た時、
楽しさの向こう側に、
なぜか物悲しさを感じてしまう、
あの感覚だ。
スピード感はゼロ。
ドタバタと、
ツンノメリながら転がっていくのだ。
ミディアムテンポの曲には独特なグルーヴがあり、これはかなりクセになる。
ヒリヒリするようなロックもいいけど、
こんなルーズなロックも、
若い世代の方々にも是非一度
聴いてみて頂きたい。

ところで、メンズビギとモッズも縁が深いのは当然である。
ファッションとロックという
ユースカルチャーの影響下の元に生まれたブランドだからだ。
20年前にモッズスーツをリバイバルヒットさせたり、ベンシャーマンやロンズデールとのコラボ。
そして、スモールフェイセズがモッズ時代に所属していた名門レコードレーベル
゛デッカ゛とのコラボは、通を唸らせた。
メンズファッションに興味がある方々、
そして生業としている全ての方々、
この辺りの現代ファッション史を
是非押さえていて欲しい。
きっとここ試験に出ますよ❗
何の試験だよ❗
メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより