「星が目に入ってそれがもし赤かったとしても、僕はなぜ赤いのかという話はしない。むしろその星を例えるのに最もふさわしいものは何だろう?と考えるんだ。僕は疑問を投げ掛けることはあまりない。ただ結びつきを見つけるだけなんだ。自分の疑問への答えは、他の人の書いたものに見つかる。僕自身の作品は、精神分析医との対話に例えられる。僕の作品は精神分析を受ける時に横たわるカウチなんだよ」
これは、1972年にデヴィッドボウイが
大ブレイクする前夜のインタビュー記事。
これを読むと、
彼の作品は、緻密に構築されたというよりも、無意識の中から生まれていることが分かる。
無意識に従うことほど難しいものはない。
人間は様々な意識に絡め取られ、
制約を強いられて生きていくことが
ほとんどだから。
無意識というのは、宇宙や神と直結しているということになる。
シャーマンのような存在だからこそ、
世界中の人々が、引き込まれていったのだと思う。
少なからず、偉大なアーティストには
そういう側面があるが、
デヴィッドボウイが唯一無二の存在なのは、表現者としての才能もずば抜けていたからだと思う。
泣かず飛ばずの時代が長かった、
デヴィッドボウイは、ピンクフロイドの
シドバレットに強い影響を受けている。
精神を病み、やがて狂人と化す、
シドバレットの自由奔放な作品へのアプローチを見たことで、扉が開けたという。
私は、知性と狂気が融合したものが、
本物のロックミュージックだと思う。
それを見事に体現したのが、
デヴィッドボウイなのだ。
今日は久し振りに、
デヴィッドボウイを聴きながらの通勤。
何だか彼は、宇宙からやって来た、
本物のジギーだったのでは?
と思えてきた。
そして再び宇宙へ飛び立ったのだ。
メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより