「ぽっくり地蔵」後記 | はしの蓮のブログ

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はしの蓮です。古代史、古事記、日本神話などや日々のちょっとした出来事、気づいたことをブログに綴っていこうと思っています。また、民話や伝説なども研究していきます。

 

先日(9月1日)、北区の「紀州神社」参拝のときの話です。

このことは、ブログに書くのを迷ったのですが、その後ずっと頭の中のモヤモヤが晴れないのでブログにアップすることにしました。

「紀州神社」参拝後、グーグルの地図に載っている「ぽっくり地蔵」に行きたいと思って探していたのですが、なかなか見つけることができず、地元の人に聞いても「知らない」という。何人かの人に聞いたのですが答えは同じです。地図を見せて、ある人は「へえ〜、この近くにそんなところがあるとは知らなかったなぁ。いくつかお地蔵さんはあるけど」というので、行ってみることにしました。一つめは、中には古い地蔵尊(1体)と比較的新しい地蔵尊(2体)の3体の地蔵尊が祀られていましたが、「ぽっくり地蔵」とも書いてなく、違うようです。そこから道の反対側に見える地蔵尊がありました。道を渡ってそこへ行くと、誰もいなかったのですが、私がカメラを取り出していたら、いつの間にか私のすぐ左後ろにいる、杖をついたおじいさんが声をかけてきました。白いワイシャツ姿で、髭はなく、こざっぱりしたおじいさんです。

私は、「よかった地元のおじいさんならお地蔵さんのこともよく知っているだろう」と思って、いろいろ聞いてみました。

 

ぽっくり地蔵(再掲)

 

ここから、そのおじいさんとの会話です。

 

私:「ちょうどよかった。おじいさん、聞きたいんですけど、このお地蔵さんが「ぽっくり地蔵」ですか?」

 

おじいさん:「そうだが、ほんとうは「延命地蔵」っていうんだ。ほら、像の横の板に「延命地蔵」って書いてあるだろ」

 

(おじいさんはそう言いながら持っていた杖で、地蔵尊の前の垂れ幕をヒョイと持ち上げながら私に見せるのです。たしかに、「延命地蔵大菩薩」と書いてあります。)

 

私:「なるほど〜、長生きはしたいけど周りに迷惑はかけず、ぽっくり行きたい。ということで「ぽっくり地蔵」なんですね」

 

おじいさん:「そう。この地蔵はな、もともと道の反対側にあったんだが、こっち側に引っ越してきたんだ」

 

おじいさん:「向こうにお地蔵さんが見えるだろ、あそこには2体あるんだ(…ほんとうは3体なんだけど…)」

 

私:「僕、さきほど行ってきました。あちらのお地蔵さんは何ていうお地蔵さんですか?」

 

おじいさん:「知らん」

 

私:「……。ところでおじいさん、このお地蔵さんよく手入れされていますね」

 

おじいさん:「そうだろ。○○さん(個人名)がいろいろ世話してくれてな、お地蔵さんの服(赤い服)も一年に一回、新調してくれるんだ。何か聞きたいことあったら○○さんとこ行ってみるといいぞ」

 

私:「へ〜、そうなんですか。(…○○さんなんて知らないし〜)」

 

私:「僕、ちょっとおまいりを…」

 

(と言って、お賽銭入れて手を合わせているあいだ、そのおじいさん、ずっと私の横に立っているんです)

 

おじいさん:「アホなヤツがいてな、このまえ、賽銭箱ごと持っていくヤツがいたんだよ。お地蔵の賽銭箱なんていくらも入っていないのになぁ」

 

私:「ほんとですか、そんなばちあたりな…」

 

(そんなことがあったからだろうか、この賽銭箱、鉄で作られています)

 

私はおまいり終えて、少しおじいさんといっしょに歩いていたら、すぐにセブンイレブンがあったので、飲み物買おうと、そのおじいさんと別れました。

 

「おじいさん、きょうはいろいろ教えてもらってほんとうにありがとうございました」

 

私は飲み物買って、店員のお姉さんに、

「王子駅はこの道まっすぐ行けばいいんですか?」

と聞くと、お姉さんは、

「そうですが、歩くと遠いのでバスに乗られたほうがいいと思いますよ」

と言って、わざわざ店の外まで一緒に出てくれて、停留所を教えてくれました。

(親切ないい子だなぁと思いました)

 

私はバスに乗って座って一息ついて、さっきのことを思い返していたら、どうしても腑に落ちないことに気づきました。

私が「ぽっくり地蔵」に着いたとき、周りに人はいませんでした。そして私がカメラを取り出す何秒かの間に、そのおじいさんは私の左後ろにいたんです。杖をついたおじいさんがほんの数秒の間に私の近くに来られるはずがない。

そのときは、まあ普通に自然でしたが、あとで考えると、ありえないと思うようになりました。

私には霊感などありません。しかし、この時だけは、何かへんです。

あのおじいさん、いったい何だったんだろう。

 

私は霊感はありませんが、今まで、自分が気づかないうちに、何かと出会っていたのかもしれないと思うようになりました。