タクシーで | 橋本志穂の部屋

タクシーで

今日、仕事に向かうタクシー車の中で

運転手さんにふいに話しかけられたー


もしやと思って無線をとったのですが、

実は数年前に○○までお乗せしたことがあるんですよ


運転手さんというと、私たちには通常背中を向けているし

客である私たちがお顔を覚えるーというのは

なかなか難しいことである。が、

乗せてもらった場所へはよく行っていたので、

覚えてくれててうれしいです」とテレ笑い・・・。


あれ以来、お客さんがテレビに出る時は

見るようにしてるんですよ


ほほぅ、お世辞にしたって嬉しいこと。

でも、お世辞じゃないんですよーと付け加えてくれた。

なんでも新聞の「ラテ欄」に私の名前を見つけると

必ずビデオに撮って見て下さるというー


そんな話を聞いて、ふと思い出した・・・。


もうずいぶん前になるが、

当時、どのチャンネルをつけても彼女が映らない日はない!

というくらい売れに売れてた野村佐知代さんと

島崎和歌子ちゃんと私と三人でオーストラリアの旅をした。飛行機

その番組が放送される時のラテ欄に

女三人旅ー野村佐知代、島崎和歌子ほか」と

書いてあったのだ。しょぼん


女三人しか出演してないのに

「ほか」扱い・・・。ドクロ

これは字数という制限があるので、もしかして私の芸名が

「橋本志穂」という4文字ではなく2文字だったら

載せてくれていた程度の話かもしれない。


でも、その時に思った。

「ほか」扱いされないように頑張ろうーって。


そんな私が、たまにラテに載ってると、

決まってビデオをセットしてー」と言ってくれる運転手さんが

とても有難く思えた。。。


 運転手さんとのエピソードはたくさんある。


 女の子アナウンサー時代、選挙の開票速報の集計のため、

タクシーを一日乗り回してあちこちの選挙事務所へ赴いた。

私の担当は、佐賀と柳川ーどちらかというと僻地担当になった。

(佐賀・柳川の方、ごめんなさい。遠いという意味です)

午前と午後に分かれて、得票数の目安を調査するのだが

運転手さんと二人きりで暑い夏の一日、

かなりの距離を走り回った。車

運転手さんは私を連れていってくれるだけでいいのだが

私がアンケートの集計を行ってるのを見て手伝ってくれた。

なんだかチームのような気がしてうれしくて

せっかく柳川まできたんだから、うなぎでも食べましょう!」

二人でセイロ蒸しを食べて~~~

領収書をきった・・・。

夜中、遅くに帰社したのだが、メーター料金は10万円近く・・・。

そのタクシー会社にはしょっちゅーお世話になっていたので

乗るといろいろな運転手さんから

橋本さんと選挙の仕事で一日一緒だったという運転手がいてね

あれはタクシー運転手人生で一番の思い出だと彼が言ってましたよ」と

よく聞かされたー

もちろん、私にとってもとても忘れることのできない思い出。。。


この間は、

いつもテレビ、見てます。うちの娘はタレントになれませんか?」

話かけられた。

運転手さんには高校生のお嬢さんがいるらしい・・・

ちょっと聞き流しながらもお付き合い程度に

そうですか~高校生?だったら今日は学校ですね」と返事をしたところ

実は学校には行ってないんです。しょぼん

ウチの娘、拒食症になってしまって・・・。一人娘でかわいがり過ぎたのが

原因だそうで~。親の期待にそえたいと頑張りすぎたみたいで・・・汗」と

何やら人生相談になってしまった。

私みたいな若輩者が、人生の大先輩の運転手さんに

お父様のせいじゃないですよ。私も高校生のころは・・」と励ましたり・・。


後姿しか見えない運転手さんの、その背中がとても寂しくてー

白くなった頭髪は、お嬢さんを心配するあまりーなのかもしれない。



人と接すると、いろいろなドラマが見えてくるものだし

自分の人生を振り返る機会になったり・・・。