中国は燃えているか | 元文京区議会議員 橋本直和 オフィシャルブログ

中国は燃えているか

中国での反日デモが、日に日に激しさを増しております。
ことの発端が尖閣諸島にあることに間違いありません。
しかし、中国国民をここまで怒りに掻き立てているのには、日本というよりも中国国内の問題にあるように私は思います。

今回のデモで、日本企業の施設がデモ隊に襲撃され多大な損害を受けました。
日本でデモがある際に、機動隊の役割はデモ隊が暴徒化させないことであり、重要拠点にはバリケードを張ることは当たり前です。
一方で、このとき中国公安の機動隊は「ガス抜き」と主張し静観していたそうです。
これは、公安が半ば意図的に今回の惨事を演出したと言えます。
その理由としては、「ガス」つまり「怒り」の矛先を少しでも日本に向け、自分たちに向けられないためだと私には見えます。

また、デモの映像を見て気になったのは、毛沢東氏の肖像画を掲げていることです。
そこには「昔は貧乏だったが皆平等だった。」とメッセージが書かれており、そのプラカードを掲げている者の大半が若い失業者であります。
テレビなどマスメディアでは連日のように、中国景気の勢いや、日本を抜いてGDP2位になったことを放送し、ほとんどの方が日本は不況な一方で中国が好調だと思われているでしょう。
しかし、それが本当であれば、何故デモに若い失業者が多く参加しているのでしょうか。
どうやら、実際の中国経済はマスメディアの伝えているものとは、かけ離れている現状にあるようです。

「愛国無罪」という言葉を皆さんはご存知でしょうか。
お国のためなら人殺しだろうが何をやっても罪を問われないということです。
デモで暴徒化した人たちの多くは、「愛国無罪」という盾を掲げ自らの行為を正当化し、反日という仮面を被って中国政府への怒りを表現したように私は思います。
そのように考えると、このデモは日本の外交問題というよりも、中国の内政問題であると言えます。

現在、日本法人が抱える現地雇用者は1000万人以上と言われています。
このデモを受けて日本企業の中国離れは加速的に進み、更なる雇用問題を引き起こしていくことが予想されます。
現政府の判断がどのようなものであるかはわかりませんが、今回のデモで痛手を被ったのは、日本ではなくむしろ中国ではないかと私は思います。
政府は慌てることなく、毅然とした態度で中国に対して振舞うべきです。