人間本能とオリンピック

ロンドンオリンピックが終わりました。
日本選手団は過去最高のメダル数38個を獲得しました。
その数が物語るように毎日必ず誰かがメダルを獲得するためか、私は時間があるとついついオリンピックに見入ってしまうことが多くありました。
イギリスは日本と時差が8時間あるため、日本が勝ったり優性になると、大きな声で応援したり、手に汗を握る夜が皆様も続いたことかと思われます。

しかし、オリンピックは国内選考を勝ち抜いた優秀な人々が集い、ハイレベルで競うものであり、私たち一般人が日常の生活に活かせるようなことは何も無いように思われます。
それでも私たちがオリンピックに惹かれるのは何故でしょう。
そこには、国を挙げて支援し、国を代表するアスリートが世界と戦う姿に国民が熱狂する、人間の本能である集団意識と闘争本能が、深く関わっていると私は思います。

韓国のサッカー選手が竹島問題に対する政治的な行動をしたことに対して、IOC更にはFIFAまで動いて調査に乗り出し、メダル授与を保留したように、オリンピックが平和の祭典であり、象徴であることを徹底しています。
つまり、オリンピックとは人間本能の発散の場所でもあるため、スポーツを通じてただでさえ熱くなっている国家間の争いに、政治的な争いを更に持ち込むと大惨事に成りかねないのです。
韓国選手の問題をメディアはすぐに報道をしませんでしたが、ネットでは各所で大きく取り沙汰されており、それを受けて本日終戦記念日の靖国神社では数多くの方が参拝されると思われます。
その多くの方が韓国側を猛烈に批判し、それに対して韓国側も日本を批判する姿が目にみえます。
やはり、オリンピックとは平和的な国家間の代理戦争あるために、熱した人々を更に熱くさせるような政治的なことを決して持ち込んではいけません。
事の発端を起こしたイ・ミョンバク大統領はそのようなことを全く理解していなかったのか、それともあえてやったのか。
どちらにせよ、その行動はオリンピックの冒涜に値しますし、熱くなっている日本の国民感情を爆発させかねない非常に危険な、非難されるものであります。

今に思えば、北京オリンピック中に発生したロシアのグルジア侵攻時に、両国の代表選手がとったフェアで紳士的な行動こそ、オリンピックにおける然るべき行動だったのでしょう。
何も知らずにプラカードを持った選手は悪くないと、一部では言われておりますが、その方々は北京オリンピックを全く見ておらず、グルジア侵攻も全く知らない上でそのようなことをおっしゃっているのでしょうか。

各国のオリンピック委員会は選手やスタッフに対して、オリンピックが平和の祭典である、その暗黙のルールを守ることを徹底するべきでしょう。