強き心「なでしこジャパン」 | 元文京区議会議員 橋本直和 オフィシャルブログ

強き心「なでしこジャパン」

ナデシコという花は不思議な花です。
その華奢で可憐な見た目に、一見弱々しい印象を持ちがちでしょうが、実際は照りつける太陽にも負けない、荒れ果てた土地にも根を張る強い花です。

2004年に日本女子代表チームの愛称として付けられた「なでしこジャパン」。
男子のサッカーとは雲泥の差の練習環境、人気の上がらない現状、それでもいつかチャンスを掴んでナデシコのように強く美しく咲き誇って欲しいという願いが愛称に込められました。
それから7年、耐えに耐え、耐え抜くことが、皮肉なことに彼女たちの心をより強く磨いていったのでしょう。

昨年「なでしこジャパン」が世界に見せ付けた心の強さは、東日本大震災という千年に一度の災害に見舞われ、疲弊しきった日本国民を元気にしました。
しかし、2011女子ワールドカップのテレビ中継は当初ほとんど無く、開催されていることさえ知らない国民がほとんどだった状況下、日本女子サッカーの未来が掛かった彼女たちの戦いは始まりました。
どんなに強大な相手にも決して怯むことなく、どんなに不利な状況に追い込まれようとも決して諦めることなく、彼女たちはひたむきで勇敢な強い心で走り続けていました。
そんな勇敢な姿にいつしか国民は魅了され、日本中が熱狂の渦となりました。

彼女たちの心の強さの源は、過酷な環境を耐え抜いたことにあると私は思います。
「最近の若者は軟弱だ」という言葉は多方面からよく聞かれますが、なでしこジャパンを含めて最近の若者が一様にそうだと言えるのでしょうか。
「私たちが子供の頃は何も無かった」「今の時代は恵まれすぎている」という意見はごもっともだと思います。
しかし、これはあくまで「物」をベースとした話であり、今本当に大事なのは「心」の話ではないのかと私は思います。
現代の若者が鬱病になったり、自殺をせざる負えなくなってしまう現状の根底には「心」の枯渇、つまり未来に対して希望を抱けない閉塞感が大きく影響しているのです。
一方で、なでしこジャパンは逆に、恵まれない環境つまり「物」が枯渇している中、日本女子サッカーの未来のためにいつか世界で活躍してみせると「心」の希望は持っていました。

就職氷河期、少子高齢化、年金破綻、財政悪化など未来へ悲観的なニュースが連日飛び交う昨今、なでしこジャパンが見せた、未来へ希望を持つことへの大切さは、今まさに全国民が見習うべきことなのではないのでしょうか。
我々が彼女たちの頑張りに魅せられたのは、心が本来欲している欲求の表れだったのではないのでしょうか。
彼女たちの活躍が日本人を正しい方向へ、そして希望の道しるべになってくれると私は思います。

これから始まるオリンピックは各国から相当なマーク受け、厳しい戦いが予想されます。
そんな中でも、ひたむきで勇敢な心の強さをもう一度見せて頂けたらと私は願います。

がんばれ、なでしこジャパン。