川内優輝選手の話を聞いて | 元文京区議会議員 橋本直和 オフィシャルブログ

川内優輝選手の話を聞いて

マラソン男子オリンピック代表選考で話題の人となった「公務員ランナー」川内優輝選手のお話を聞ける機会がありました。
1987年3月5日生まれの25歳。身長172cm体重59kmとアスリートと言うよりかはどこにでも居る感じがする普通の好青年という印象でした。

元々無名だった彼が注目を集めたのは学習院大学時代に関東学連選抜の選手として箱根駅伝に2度出場したことに始まります。
卒業後は実業団からの誘いもなく、毎日2時間の練習が出来ることから埼玉県庁へ就職をします。
そして、2011年東京マラソンにて2時間8分37秒で3位となり日本人トップの成績となり「市民ランナーの星」として一躍トップランナーの仲間入りを果たします。

そして、オリンピック代表選考レースである福岡国際マラソンでも日本人トップの3位となり、実業団からではない市民ランナーとしてのオリンピック代表の誕生に、世間も私も期待しました。
東京マラソンでも好成績を収めれば代表をほぼ確実なものにできると言われた中、結果は2度の給水失敗が響いたのか2時間12分51秒の14位に終わってしまいました。

結果ロンドンオリンピック男子マラソン代表選手には選ばれませんでした。
そのことにショックを受けているのかと思っていましたが、当の本人はそのことを引きずるどころか、4月に行われる霞ヶ浦マラソンでペースメーカーを引き受け、更には同月にドイツで行われるデュッセルドルフ大会に選手として参加予定と非常に前向きです。
しかも、この大会にはケニアの早い選手がいないそうなので、頑張って一番を取りたいと考えているそうです。

川内選手が出てくるまでは、フルマラソン大会は年間1回又は2回が通常で、1ヶ月に1回ハーフマラソン、そして年に何回もフルマラソンを走るなんてことは考えられないとされていました。
しかし、現実には海外の選手のほとんどは多くのマラソン大会に出ており「大会で足を作る」ことが普通なのです。
大会に出ることは足を作る以外にも、苦しい練習をしている成果を観客に見ていただきたいと頑張ることが、ベストの力を出せるといった「精神を作る」ことにも繋がってくると川内選手はおっしゃっていました。

東京マラソンで好成績を収め見事にオリンピック代表に選ばれた藤原新選手は現在無職ですが、本番までには彼を支援する企業が現われるでしょう。
マラソンランナーが職業として実業団以外で食べていける時代がそろそろ来そうだと私は感じます。
川内選手と藤原選手の存在と発言、そして行動はこれからのスポーツの裾野を広げて行く良い起爆剤になると思います。