老いの才覚 | 元文京区議会議員 橋本直和 オフィシャルブログ

老いの才覚

「他人任せの『老後の安心』なんてありえない、
そこを自分で乗り切るのが『老いの才覚』なのです。」

この文章は、曽野綾子さんのミリオンセラー「老いの才覚」の一部であります。
現在の日本の高齢者は、お墓や葬式、遺書や相続に関してとても強い関心があるらしいです。
その原因は昔に比べてとてつもなく長くなった老後と言う時間を生きるため、心構えや金銭的な備えについて考えなくてはならないからでしょう。
年金問題を見ても自分の老後は自分で考える事だと気づかされます。

以前の老後とは遊ばないで貯金をして築くものでした。
そう考えるとお金を借りて買う住宅ローンなどはまさに狂気の沙汰です。

働けるのに働かない人は食うべかざる、自分のことは全て自分でやる。
料理も出来ない、洗濯も出来ない、掃除も出来ないという情けない人間にならないように、定年に向けて日夜訓練の必要があるでしょう。
更に料理をすることは、段取りや先読みをするなど頭を使うことによって痴呆の防止にも繋がります。
また、夫婦間での日常会話も出来るだけ必要な言葉以外は交わさず、無理に一緒に行動をせず、何かあった後で徹底的に話し合うのが良いそうです。
贅沢はしない。余計なものは持たない。

そもそも「もらう権利」なんて誰もが持っているものではありません。
与えた者だけが「もらう権利」を主張できるのです。
日本の教育に問題があるから「お嬢ちゃん老人」「お坊ちゃん老人」が大量発生するのです。

アフリカの社会と人々をイヤと言う程見てきた曽野さんは、日本は夢の国だとおっしゃっています。
何かに付けて格差社会を口にする社民党の福島瑞穂さんに対し「格差社会なんて日本の何処にあるのですか」と言い切っています。

著書の最後に「豊かな老後を送るためには、贅沢と貧乏の両方を味わっておくと良いのではないか」と書かれています。
私は曽野綾子さんの言葉に大変納得がいきました。
日本人は恵まれているこの現状に日々感謝し、自らを見つめ直す必要があると改めて思わせれました。