宮脇磊介氏より、震災対応への緊急提言をメールで頂きました。

橋本は宮脇氏が書かれた『騙されやすい日本人』『サイバークライシス 「見えない敵」に侵される日本』を熱読し読者感想をお伝えして以来、ご交流とご鞭撻を頂いております。

日本国の危機管理システムの甘さ、政治・ジャーナリズム・官僚組織の腐敗を憂える国士である宮脇氏が、現政権と政府に対して震災後の緊急対応方法を本提言で言及しております。

私のような政治家を志す者にとっても重要な教訓となるため、宮脇氏の承諾を得て皆様にご紹介するしだいです。政府に対する国民の意思としての資料となれば幸いです。

どうかご一読ください。ブロガーの皆様につきましては、原文ママで転用可です。



宮脇磊介http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E8%84%87%E7%A3%8A%E4%BB%8B

内閣広報官http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%96%A3%E5%BA%83%E5%A0%B1%E5%AE%98

参照:Wikipedia



与野党挙げての司令塔の設置と具体的対策を!!

――「各党・政府震災対策合同会議」ベースまたは賢人会議設置と

それらの分科会で方針と具体施策を――

2011.3.17

初代内閣広報官 宮脇磊介



今回の東日本大震災に対して、民主党菅直人内閣は、何をしたらよいか分からないまま事態を悪化させています。民主党の政治家は、被害者救援対策、物流対策、復興対策などについてそれぞれに関与する機関や産業などの仕組みや活動実態に対する知識が乏しく、ましてそれらを総合的に動かすイマジネーションと力量を欠いています。



原発事故対策や電力供給対策にしても、当初から政府の責任において方針と対策を決め実施すべきものである。ひとり東電という一企業に丸投げしてはならない。批判されるべきは政府・菅直人首相であって、東電に向けるのは誤りだ。と、日本のメディアや政治家に警告をしてきたところです。



特に、政府に司令塔と責任体制の確立を急ぐよう促してきました。



しかるに、菅首相は、死に物狂いでやると言ったり、蓮鈁や辻元明美をパーフォーマンスポストに就ける。閣僚は、地震対策の知識もノウハウの蓄積も無く、さりとはいえ、官僚の知恵を活かす術を知らない。岡田幹事長は、与野党協議の場を、国民生活のためでなく、予算関連法案を通すために活用しようとしている。



いまの民主党政権には、かりに司令塔を作っても、形だけにとどまり、実質的に基本方針や具体的な施策を樹立し実行するイマジネーションも無ければ能力もないのです。



このままでは、大変なことになります。事態の改善は進まず、被災者や国民の不平不満が嵩じて、せっかく海外から驚異の目で見られている秩序ある日本人も我慢の限界を超えかねません。



菅政権を放棄させて解散総選挙など、考えられない危機的な段階に至っているのです。



今必要なのは、現内閣の体制を、実質的に、実力ある体制に組み替えることです。



当面考えられることは、既設の「各党・政府震災対策合同会議」の活用である。あるいは、名称はともかく「賢人会議」の設立です。目的を、東日本巨大地震対策の「司令塔」としてはっきりとさせ確認したうえで「分科会」を設立し、具体的な施策を詰めて強力に実効に移す。分科会の構成員は、ノウハウに長けた旧自民党政治家、現役に影響力のある官僚OB、専門家などを中心に編成する。「政務三役」などにはこだわらせず、オブザーバー並みの扱いでよく、本人の意欲と能力次第とする。



現在の菅内閣のありようを批判しても、事態は良い方向に進むことは期待できない。絶望が正解。期待をなお繋ぐことは時間の無駄のみならず危険である。国民生活を悪化の道を急速に転がり落とさせること必定である。日本の国際的地位も益々低下させる。



日本のメディアの記者はもとよりエデイタ―のイマジネーションも低い。毎日の報道は、放射能に傾斜し、あとは目先の断片的な興味本位の編集に終始している。菅内閣同様、全てに行き当たりばったりで、日本がいまなすべきことに及ぶことが出来ない。



志ある政治家の早急なる行動を期待する所以である。


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この記事をご覧になった方より「頑張っている警察官や消防隊員もいるから政府批判は避けてほしい」というご意見を頂きました。


これについては、橋本のブログ記事「公務員のみなさんの活躍」にあるように、現在のご活躍については本当に心から頭が下がる思いと感謝の気持ちでいっぱいでおります。


だからこそ、現政権には自分たち政党だけの考えではなく、皆で知恵と力を合わせてなんとか被災地を救って頂きたいと切に願うばかりです。


宮脇氏の超党派的で外部人材も混在した緊急会議の設立については、橋本もそれを実現してほしいと強く思うので、全文転載いたしました。


どうかご理解いただければ幸いです。