短大・大学時代は油絵を描いていた為、政治活動とは無縁でありました。
しかしこの頃にも政治活動への興味の萌芽は見ることができました。


美術史の講義で、最近観た美術展や絵画作品で印象の残ったものをレポートにまとめる、という課題が出た時、迷わず選んだのがメキシコ人画家の「ダビット・アルファロ・シケイロス」でした。


 David Alfaro Siqueiros 1898-1974
 メキシコの壁画家 政治革命家
 メキシコ壁画運動をリベラ・オロスコと起こす
 プロレタリアート階級に向けた芸術運動
 徹底した社会主義リアリズムを追求
 ブルジョワが個人所有するような芸術を否定
 政府に投獄されたのち、国外追放される
 生涯自分の作品をイデオロギー的なプロパガンダとして製作
 

当時はあまりメジャーではないメキシコ現代絵画の画集を探すのが大変で、必死に書いた記憶があります。
どこで観た展覧会だったのか忘れてしまいました。その時のレポートが見当たらないので(まだPCの無い時代でしたので)。


そのシケイロスの作品の圧倒的な迫力に、血が熱くたぎったのを忘れることができません。
芸術作品が革命のシンボルとなったということを知った時、画家志望の学生だった私は一人盛り上がってしまいました。
さらに彼の絵が民衆を扇動するものとして、投獄されるほどのものであったことも私を熱狂させました。


さっそくアトリエで、油絵に自分の想いをぶつける!ぶつける!ということを試みてみました。
絵具を塗りたくる、削る、と何度となく繰り返して何枚のキャンパスやスケッチブックを無駄にしていきました。
そんなことを続けて、いったい何の感情をぶつけているのかと、ハタと気がつき…


時はバブル後期。就職口は山ほどあった時代でした。
就職面接に行くと交通費を千円くれるとか、テレフォンカードやシステム手帳や名刺入れペンケースセットなどを、企業が学生にお土産をくれた時代です。

日本はずっとこのまま景気が良く、街は賑やかで、仕事にあぶれることもなく、新しい建物もバンバカ建つのだろうと20歳になったばかりの私は疑いも持ちませんでした。


そんな呑気な画学生が、シケイロスのような訴えかける作品が描けるはずもなく。
でも、何かやりたい。変えたい。満足できない。皆で力を合わせれば何かできるのではないか。
金なんかいらないから、情熱がそそげる仕事がしたい。


そのうち絵を描いていても落ち着かない、いてもたってもいられなくなり。
そうして、何もできない自分の非力さと無力感に襲われたり。

完全な”アイデンティティクライシス”(「自分は何者なのか、何の為に生まれたのか、何を成し得ればよいのか」という疑問にぶつかってつきつめていくうちに心理的に危機的状況となる 自己同一性の喪失、危機)に陥るはめに。


これは選挙事前活動にも通じる情動でもあります。
新人候補者は皆このような思いに陥る事があるのではないでしょうか。
今までの仕事を辞めて退路を断ったものの、強い後ろ盾や団体・組織がなく戦況の読めない中での地を這うような活動の毎日。
そしてご賛同者ばかりとお会いできるわけではなく政治信条の違いなどで活動を否定される毎日。

すでに中年でありながらも、若者のようなアイデンティティクライシスは必至!

余談ですが、中年になるとこのまま鬱状態にはまらないよう気をつけなければなりません。緊張や不安の連続は要注意です。


私は結局若いころに答えが出せなかった状態に戻ったわけです。
きっと私の人生にとっては、先送りしてはいけない課題だったのでしょう。
先送りした課題は、さらに難しくなって私の前に立ち塞がっています。


しかし、今回は逃げません。

私とシケイロスとはイデオロギーの違いはありますが、虐げられた民衆や市民が人間らしい生活を勝ち取るために命を燃やす、そのために生涯を捧げる、という志は同じです。

本当の戦いは統一地方選挙後の4月24日から始まります。
その戦いに参戦するために、活動を続けています。
結果よりプロセスが重要です。この先に繋げていかなくてはなりません。


”しがらみ”から”つながり”へ
みんなの政治、みんなの日本、みんなの党です!


【シケイロスの作品が観られるweb site】

MoMA ニューヨーク近代美術館
http://www.moma.org/collection/browse_results.php?criteria=O:AD:E:5454&page_number=1&template_id=6&sort_order=1

MFAH ヒューストン美術館
http://www.mfah.org/art/detail/cara-de-nino-concentracion-concentration-head-boy/

『自画像』私が特に好きなシケイロスの作品です。以下のweb siteで紹介されてました。
http://www.biografiasyvidas.com/biografia/s/siqueiros.htm

【参考図書】
メキシコ壁画運動―リベラ、オロスコ、シケイロス
加藤 薫 著
http://t.co/IvxHIfh