19世紀末にヨーロッパで一斉を風靡した美術様式「アール・ヌーヴォー」。


フランス北東部ロレーヌ地方にあるナンシーの街では、エミール・ガレを中心とする「ナンシー派」と云われるアール・ヌーヴォー様式のガラス工芸が隆盛を極めたのは、よく知られていると思います。


そんなアール・ヌーヴォー様式を初めて建築に取り入れたのがベルギーの建築家Victor Horta(ヴィクトル・オルタ)です。
(故に、ベルギーは「アール・ヌーヴォー建築発祥の地」と呼ばれているのだそう。)


オルタが作った自身の邸宅「オルタ邸」が、現在は「オルタ美術館」となっており、見学してきました。


オルタ邸(世界遺産)
アトリエと自宅が分かれて2棟が内部で繋がっています。
外部は窓のアーチやベランダのフレームの装飾以外は割と控えめな印象。





私はアール・ヌーヴォーが三度の飯より好き!(←言い過ぎか・・・)
アール・ヌーヴォーの美術品に出逢うと脳内がα波で満たされます!笑

そんな訳で、オルタ邸の内部は、とてもとても素晴らしかったです。至福のひとときでした。

しかし、このオルタ邸、残念ながら撮影不可だったので、購入したパンフレットからオルタ邸内部の一部を抜粋します。







うーむ、これらの写真だけでは魅力を伝えきれない気がする。。。

オルタ邸は、内装の細部から家具までも全てオルタ自身がデザインしたそうです。
自身の建築のモデルルーム代わりだったとも云います。

アール・ヌーヴォーが好きな方、是非現地を訪れる事をお勧めします!




しかしながら、アール・ヌーヴォー建築は、20世紀に入ると次第に廃れてきてしまい、沢山のアール・ヌーヴォーの建築物が取り壊されてしまったそうです。
オーマイガーッ!!
何て勿体ない事するの〜(泣怒)!!!

私は建築の詳しい事は分からないですが、窓・手すり・内装の細部までが一つ一つ独自のカーブやデザインの芸術作品となっているアール・ヌーヴォー建築は、現在ではよっぽどの予算がない限り(一般の家などは特に)造る事の出来ない贅沢な建築物の様に思います。
なので、アール・ヌーヴォーの建築物が沢山壊されてしまったかと思うと勿体無さで、あぁぁ、立ちくらみが・・!!


オルタの作品もそんな中で多く壊されてしまったとの事ですが、現在残っているオルタの建築作品は、オルタ邸も含めて4点が「世界遺産」に登録されています。


オルタ邸の見学後、オルタ邸同様に世界遺産である他のオルタ作品も、外部のみですがちょこっと見てきました。


タッセル邸(世界遺産)
オルタが一番最初に作ったアール・ヌーヴォー建築作品。
(内部が見れなかったのは残念ですが、オルタ邸同様に素晴らしい内装らしいです。)


ソルヴェイ邸(世界遺産)
オルタのパトロンだったソルヴェイの依頼により潤沢な資金で建てられた家。
他の邸宅より外観にアール・ヌーヴォー様式が強く出ているのは潤沢な資金のお陰なのかもしれませんね。



また、こちらはオルタ作品ではありませんが、芸術の丘のすぐ近くに、現在は「楽器博物館」になっているアール・ヌーヴォー建築があります。


芸術の丘


アール・ヌーヴォー建築の「楽器博物館」


元はオールドイングランド(上方に名前が残ってます)と云うデパートだったそうです。

オルタの弟子でもあったポール・サントノワ(Paul Saintenoy)と云う建築家の作品

細部が楽しい!


因みに、楽器博物館を少しだけ坂を下ったところに薬局があり、こちらも建築家ポール・サントノワの作品。
んっ?何故かこちらはアール・ヌーヴォー様式ではないですね。。。



ブリュッセルには他にもアール・ヌーヴォー建築が沢山あるそうです。
全部を見ることは出来ませんでしたが、アール・ヌーヴォー建築の建物を鑑賞出来て幸せでした!


(つづく)