また日が空いてしまった。クライマックスに向けて一気アップを目指します・・・(溜めすぎて弱気)。



第15話『華音』
脚本:荒川稔久 監督:坂本太郎



前回から引き続きサキの歌。続きがありました、そして上手すぎる(笑)。思わず涙をこぼすカノン。しかしサキの誘いは、結局断ってしまう。上手く言えないけど無理です、とカノン。カノンのトラウマは幸太郎に対してなのだろうか。

逃げるんですか!歌が好きで東京に出てきたんでしょ」と夏菜、じゃないサキ(笑)。この辺、気合が入っているという中の人のプロ意識がオーバーラップします。

「だいちゃん」でタイヘイとイケチヨに相談しているカノン。タイヘイ、カノンに過保護すぎ(笑)。助言もことごとく的を外してしまう。それにしてもチャーシューをつまみにホッピー飲むっていいなあ(笑)。

アパートに帰ってきたカノンの前に・・・渡辺いっけい演じる父が初登場!改めてクレジットを見たら名前が「ばろく」なんですね。クラシックつながりで揃えたのは分かるが無理があるネーミングな気が(笑)。

しばらくこっちにいる、といきなり上がり込むばろくだが、家賃を払っているのは自分だとのこと。元々はカノンの兄が払ってくれていたが不況だから父に肩代わりを頼んだとか。どっちにしても良い兄すぎる。カノンって孤独なおばあちゃんっ子かと思ってたら、故郷に親兄弟がいたんですね。特に兄の存在が意外。(観直したら1話で兄からメール来てましたね)

地元のせんべいを食べながらカノンに駄目出しするばろく。兄から情報が筒抜けのようだが、彼氏と別れたとかそんなことまで報告してるのか(笑)。

ここでカノンの高校時代の回想。東京で歌をやりたい、「歌でみんなを喜ばせてえ、私の歌で世の中を幸せにしてえ」と言うカノンに対し、人を信用するな、カノンのようなお人よしは東京で痛い目をみる、と一刀両断の父。「人を信じて人のために何かすんのの何が悪いべ!」「私は痛い目なんか見ねえ」と息巻く当時のカノン。結局父の言葉通りになってしまった。

私なりに新しいことをやろうと思ってるところだ、と言うカノンに対し、父はあいだみつを的な心の言葉日めくり”を取り出し、「やろうとおもってるは やってないとおなじ」のページを得意気に突きつける。真理かも知れないけど身も蓋もなさすぎ(笑)。

「だいちゃん」で話すタイヘイとジュウゾウ。カノンに的を得たアドバイスができず自信を失くしたタイヘイに、今は娘っ子が一人で決めるべき時だ、とタイヘイを励ますジュウゾウ。一方サワモリ達はドウカンの道標に従い、イパダダの移動した場所へ向かう。

昨日から一夜明け、眠っているばろくをよそにテレビをつけるカノン。さりげなくブルーレイボックスのCMが入る(笑)。めざましテレビ的なワイドショー番組でサキが映り、涙を流すサキに感銘を受けるカノン。一方自宅でシャワーを浴びるサキは、冒頭のカノンへの「逃げるんですか!」発言を思い出し、「あれじゃケンカ売ったみたいだよなあ・・・そんなつもりじゃなかったのに」と自己嫌悪。男らしくもさっぱりとしたいい子だ。

ついにイパダダを追い詰めたサワモリ達だが、イパダダは炎を吐き、タメキチの衣類が燃えてしまう。すぐさま変身体になり、水をかけて消火するヤカンのオンバケ、ユモンジ。なんか見ていると『テレコマ戦士どんぶりマン』とか『UFO仮面ヤキソバン』ケトラーとか思い出す(笑)ユモンジはイパダダの炎を受け止め、「おかげで煮立ったぜ!」と湯気をイパダダに浴びせる。なんという名ゼリフ!カップめん作るときとかに使えそう(笑)。

日本が世界に誇る素晴らしきヤカン柳宗理デザイン つや消しケトル(やかん)

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おかげで煮立ったぜ!

カノンが最近使っていないキーボードを、粗大ゴミで捨てようとするばろく(笑)。カノンにハッパをかけるために東京に来たかと思いきや、「俺がこっちで用事を終えたら、一緒に帰るべ」父は父で用事がある様子(これが20話以降の伏線となります)。ばろくはカノンに、上京して変わったな、と一言。「元気のねえおめえなんか、アイスクリームのねえコーラフロートと一緒だ」この例えは上手いのだろうか?(笑)。「今のおめえの顔は、東京の人間におびえた顔だ」その言葉を聞きながらサキの涙がオーバーラップ、「(そうだ、サキさんも苦しんでたんだ・・・)」と、思わず家を飛び出すカノン。

大学の部室に向かったところ、サキは軽音部の楽屋にいました。スターのくせにしょっちゅう大学にいます(笑)。0℃は売れてるのか大して売れてないのかよく分からんなあ(笑)。まだ迷ってる、というカノンに「だったら吹っ飛ばしてあげる」とサキ。笑顔がさわやか。バイクにカノンを乗せて向かったのは、東京のビルが一望できる丘。カノンは感激して駆け出す。

この近くに住んでいたサキはここから東京の景色を見て夢を膨らませていたが、いざ東京に出ると大人の世界は汚れていた。「ちょっと言えないようなこともされそうになったり」生々しいけどちょっとした台詞でリアリティを出してくれる荒川脚本はやはり素晴らしい。気持ちが折れた矢先に『TO THE TOP』のメロディー(=『いのりうた』)に出会い、元気になれた、と。だからみんなにも元気になってもらえる気がした、岬さんの書いた詞も同じだ、とサキ。

カノンは、自分の気持ちも多分サキと同じだが、今は『いのりうた』をまたちゃんと歌えるようになるまで、他の歌は歌わない、とサキの誘いを断る。色々あって今は気持ちが乗せられないから、昔の(真っ直ぐ人を信じていた)自分に戻れるまでは、と言うカノンに、無理に戻る必要はない、人の気持ちは変わるんだから、とサキ。昔書いたラブソングを今は恥ずかしくて歌えない、という例が的確で上手い。

『いのりうた』に今の気持ちで詞を付けたら歌えるようになるよ、とここで後につながる重要な提言をするサキ。「そんなこと考えてもみなかった!」と顔を輝かせるカノン。やってみようかな、というカノンに「いいじゃない? 」と満面の笑みのサキ。この言い方と表情が好きすぎる(笑)。

待っててもいい?それができたら、次は私の曲に詞を書いて
私で良ければ(笑顔)」
岬さんだからいいんだよ(笑顔)」
やばい、泣きそう(笑)。

じゃあ、待ってるね私」とサキが手を差し出し、夕焼けの中で握手をする2人。それぞれに東京の景色を見て、思いを新たにしたところでエンディング。

いやあ~、この回は素晴らしく良かったです。ここまで『カノン』観てきて良かったあ~、と改めて思いました。荒川さんが前・後編を書くと時々こういう神回が誕生するんだなあ。おしつけがましくなく、ひたむきな姿と暖かい心の交流が思わず泣かせる最後のパートなんて、ドラマだけで間にアクションシーンとかを一切はさんでないのが、筆が乗っている証拠と言うか。

でもこういうものを、エンターティメントの中で届けたいというのが高寺イズムなんですね。ほんと、作品全体として見たら『クウガ』も『響鬼』も『カノン』も決してバランスの良い作品ではないかも知れないけど、こんな瞬間に出会えるならそれでいいじゃない、と思ってしまいますね。いいじゃない?ってサキの真似するのがくせになりそう(笑)。

追記:
これだけ感動させて予告編、「その時、ケチつけ放題の客は!」最後に笑わせんな(笑)。



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