お酒 | りっちゃん咲いた

りっちゃん咲いた

生後8カ月で劇症肝炎で亡くなったりっちゃんとの思い出を中心に、
日々の思いをつづっていけたらと思っています。

毎週パパが必ず録画するほど楽しみにしている、居酒屋を紹介する

テレビ番組を一緒に見ていた時のことです。


その番組では男性の案内人が、毎回色々な居酒屋を訪れて飲食をし、

お酒やお料理などを紹介するのですが、合間に他のお客さんたちの卓を

巡ってあいさつや、乾杯などをすることがあります。


その中で訪れた、ある一つのテーブルで乾杯を交わしていたのが、

20歳代ぐらいのダウン症の女性でした。恥ずかしそうに、グラスを

合わせる彼女に、隣に座っていたお母さんらしき人が、

「○○ちゃんはシャイなんだよね」と言っていて、向かいには

お父さんらしき人がその様子をニコニコと眺めていました。

それは本当になごやかな、幸せな場面でした。


パパと私はハッとして、何度もそのシーンをリピートしてしまいました。

りっちゃんが二十歳を過ぎて3人で一緒にお酒を飲む姿なんて、

想像したこともありませんでした。

りっちゃんはまだ赤ちゃんだったから、立って歩けるようになったら、

おしゃべりができるようになったら、小学校に入ったらとか

近い未来のことばかり想像していたのも仕方のないことかもしれません。


今更ですが改めて、成人したりっちゃんとお酒を飲んでいる自分たちを想像して、

いつもとは少し違った種類の寂しさを感じてしまいました。