こんにちは。波斯波 純です。
ここ2週間くらい、分子軌道法(MO法)が気になって少しずつ勉強学んでいました。そんな中、Xで
『原子価結合法(VB法)を学んだ後にMO法を学ぶと、発想の違いを意識しないと混乱する』
みたいなポストを見かけて、まさにそれ!!ってなりました😂たぶん混乱の正体は、“どっちが正しいか”じゃなくて、“考え始める場所”が違うことのように思います。なので今回は、エタン(C₂H₆)を例に不動産アナロジーでまとめてみました。 
私のようにMOが苦手な人向けに、発想の切り替えだけを整理しました。

エタンの分子模型

※これは「考え方の違い」を掴むための比喩です。厳密な数学や計算は今回は考えなでいおきます。←実はそこまで詳しくない💦

 1)原子価結合法(VB法)


個人地主の“共同出資アパート”
 地主:C₁さんとC₂さん。それぞれ自分の土地(=原子の“持ち物”)を持ってる。 
建て方:2人の土地の境界あたりに、お金を出し合って小さなアパートを建てる。これが C–Cの結合(σ結合)。 
入居者(電子):そこに2人(電子)が入居して、2人で共同管理。 
更に、これと同様の契約はC₁さん、C₂さんの周りに居る地主Hさんたちとも個別に行われ( C₁–H 3つ、C₂

–H 3つ)、全体として“エタン”団地(分子)が出来上がる。

VB法っぽいポイントは、発想のスタートが 『この結合をどう作る?』つまり、結合(特に“この2原子の間”)に注目するいわば局所ローカル)な見方なんだと思います。

 2)分子軌道法(MO法)


合弁会社で「巨大タワマン計画」 
合弁会社:C₁さんとC₂さん、H₁さん〜H₆さんが意気投合して、合弁会社を作る。土地の境界線をいったん忘れて、分子全体をひとつの共有地みたいにする。 
建て方:共有地の上に、分子全体に広がる巨大マンション(=分子軌道)を建てる。 
そしてこのタワマン建築(MO法)の……大事なルールがこれ👇 
マンションを作ると『セットで2種類の部屋』〜結合性軌道σ)と反結合性軌道σ*)〜ができる。 
住みやすい部屋(結合性:σ)電子がいると安定する優良物件。しかも家賃が安い(エネルギー準位が低い)。
住みにくい部屋(反結合性:σ*)部屋の真ん中に「ここは通れない」みたいな境界(=節面)ができて、使い勝手が悪い物件。なのに家賃が高い(エネルギー準位が高い)。
ここでいう “節面(せつめん)”っていうのは、超ざっくり言うと、『その場所には電子がいない』正確には『そこにいる確率が0』みたいな“空白の面”のことです。
エタンの場合は、電子はまず住みやすい部屋(σ)から入るので、反結合性(σ*)は空室になります。 
MO法っぽいポイントは発想のスタートが『分子全体に、どんな“部屋割り”ができる?』つまり、分子全体をまとめて扱う、全体デローカル)な見方。
※ここでいう「2つの軌道」は、“結合に関与する2つの原子軌道(例:左のCのsp³と右のCのsp³)”のこと。これらを組み合わせると、結合性と反結合性の分子軌道がペアで生まれる、という意味です。

なんで混乱するの?
VB法は『個別契約(結合を先に作る』ので、頭の中では 結合が主役。MO法は『部屋割り『(軌道を先に作る』ので、結合は あとから見えてくる性質。同じ分子でも、計画書の作り方が違うから、切り替えを意識しないと混線する…ってことなんだと思います。

まとめ

VB法:結合(この2原子の間)から考える
MO法:分子全体の“部屋割り”から考える
MO法:結合性と反結合性(節面つき)がセットで出る

※“反結合性が空室”はエタンの場合。分子によっては反結合性にも電子が入ります。

私は、量子化学が苦手でずっと敬遠してきました。でも、このブログを書くようになって、化学を少しずつ学び直していく中で、基礎の基礎部分はやっぱり避けて通れないかも?と思うようになりました。
それで、量子化学の基礎部分を難しい数式などは取り敢えず脇に置いて学んでみようと思ったのですが、やっぱり難しい💦
なので、難しいことを何とか理解するために、色々なアナロジーを考えるようになりました。すると、自分の考えたアナロジーが、量子化学の世界とわりと相性がよく、少しだけその難解さが緩和したように思えました。
今では

量子化学=
難解で近づきたくない領域
難解だけどちょっと面白い不思議な世界

へとシフトしてきたのを感じます。