新潮文庫の100冊(2020年版) | そういえば・・・

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橋本商工株式会社の社長のブログです

おなじ「新潮文庫の100冊」でも
昔(1977年版)と昨今(2020年版)の
ラインナップを比較すると結構
違うことに驚かされました。

下はインターネットに出ていた
2020年版の「新潮文庫の100冊」です。




 
青の数学(王城夕紀)
赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ1(モンゴメリ) 
明るい夜に出かけて(佐藤多佳子)
あつあつを召し上がれ(小川糸)
あと少し、もう少し(瀬尾まいこ)
ある奴隷少女に起こった出来事(ハリエット・アン・ジェイコブズ)
伊豆の踊子(川端康成)
一日江戸人(杉浦日向子)
いなくなれ、群青(河野裕)
イノセント・デイズ(早見和真)    ⑩
 
異邦人(カミュ)
海と毒薬(遠藤周作)
江戸川乱歩傑作選(江戸川乱歩)
火車(宮部みゆき)
風が強く吹いている(三浦しをん)
神様のボート(江國香織)
カレーライス―教室で出会った重松清(重松清)
キッチン(吉本ばなな)
君が夏を走らせる(瀬尾まいこ)
きみの友だち(重松清)        ⑳
 
新編 銀河鉄道の夜(宮沢賢治)
錦繍(宮本輝)
グレート・ギャツビー(フィツジェラルド)
黒い雨(井伏鱒二)
ケーキ王子の名推理(スペシャリテ)(七月隆文)
ケーキ王子の名推理(スペシャリテ)5(七月隆文)
ゴールデンスランバー(伊坂幸太郎)
こころ(夏目漱石)
こころの処方箋(河合隼雄)
孤独のチカラ(齋藤孝)        ㉚
 
この世にたやすい仕事はない(津村記久子)
最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常―(二宮敦人)
さがしもの(角田光代)
さくらえび(さくらももこ)
殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―(清水潔)
塩狩峠(三浦綾子)
ジキルとハイド(スティーヴンソン)
シャーロック・ホームズの冒険(コナン・ドイル)
しゃばけ(畠中恵)
しゃぼん玉(乃南アサ)        ㊵
 
車輪の下(ヘッセ)
受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法―(池谷裕二)
小公子(バーネット)
白いしるし(西加奈子)
深夜特急1―香港・マカオ―(沢木耕太郎)
深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(沢木耕太郎)
数学する身体(森田真生)
砂の女(安部公房)
精霊の守り人(上橋菜穂子)
絶唱(湊かなえ)            ㊿
 
空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集―(寮美千子編)
それでも、日本人は「戦争」を選んだ(加藤陽子)
太陽と乙女(森見登美彦)
太陽の塔(森見登美彦)
探偵AIのリアル・ディープラーニング(早坂吝)
痴人の愛(谷崎潤一郎)
超常現象―科学者たちの挑戦―(NHKスペシャル取材班)
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(川上和人)
月と六ペンス(サマセット・モーム)
月の影 影の海 〔上〕 十二国記(小野不由美)  (60)
 
月の影 影の海 〔下〕 十二国記(小野不由美)
土の中の子供(中村文則)
ツナグ(辻村深月)
罪と罰〔上〕(ドストエフスキー)
罪と罰〔下〕(ドストエフスキー)
手のひらの京(綿矢りさ)
東京奇譚集(村上春樹)
夏の庭―The Friends―(湯本香樹実)
何者(朝井リョウ)
西の魔女が死んだ(梨木香歩)      (70)
 
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(森下典子)
人間失格(太宰治)
残るは食欲(阿川佐和子)
博士の愛した数式(小川洋子)
パプリカ(筒井康隆)
人斬り以蔵(司馬遼太郎)
ひとり暮らし(谷川俊太郎)
フェルマーの最終定理(サイモン・シン)
不思議の国のアリス(ルイス・キャロル)
変身(フランツ・カフカ)          (80)
 
ぼくは勉強ができない(山田詠美)
星の王子さま(サン=テグジュペリ)
ボッコちゃん(星新一)
ホワイトラビット(伊坂幸太郎)
豆の上で眠る(湊かなえ)
満願(米澤穂信)
ミッキーマウスの憂鬱(松岡圭祐)
村上海賊の娘(一)(和田竜)
約束の海(山崎豊子)
許されようとは思いません(芦沢央)   (90)
 
夜のピクニック(恩田陸)
よるのふくらみ(窪美澄)
楽園のカンヴァス(原田マハ)
羅生門・鼻(芥川龍之介)
螺旋の手術室(知念実希人)
レプリカたちの夜(一條次郎)
檸檬(梶井基次郎)
老人と海(ヘミングウェイ)
吾輩も猫である(赤川次郎ほか)
わたし、定時で帰ります。(朱野帰子)  (100)
 ※ 斜線太字は古典、もしくは1977年版にも
    採用された作家の作品





古典や名著で溢れていた1977年版
では新潮編集部の「(読書ビギナーに)
これは読んで欲しい、古今東西の名著
にふれ、知を体験してほしい」という
思いを感じとれたものです。

社会の授業で教わった、プロレタリア
文学の金字塔である小林多喜二の
「蟹工船」、小林秀雄の評論、
ロマン・ロランの長~い全4冊など、
歯ごたえだらけの難物は時間と体力
がある若いうちに読むべきもので、
当時の「100冊」はそのキッカケを
作ってくれたものでした。


他方、あまり文句コゴトを言いたくは
ありませんが、この2020年版、
時代が40年以上下ったとはいえ、
相当子供っぽくなっちゃったようです。

作家(作品)も相対的にかなり
軽い感じの選択となっており
(存命中の作家が多い)、さすがに
これを外すと「100冊」の面影
すら無くなってしまうので※印
入れている、ということでしょうか。


若者の知的好奇心の力を信じて
版権を所有している名著、言い
かえると 「(より上質な)文化」を
かれらに紹介して欲しいものだと
思います。
「子供扱い」はいけません。