読書③ 『ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争』  デイヴィッド・ハルバースタム | そういえば・・・

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橋本商工株式会社の社長のブログです

いやはや、朝鮮半島情勢が信じられないくらいヒートアップしている昨今。

普通に工具を売ってていいのかというくらいの緊迫度です。これは後で振り

返ったら「キューバ危機に匹敵した」くらいの歴史的な評価になることでしょう。

 

 

いやいや橋本さん、大袈裟ですね、といわれるかもしれないけど、それは

あなたがのんきなだけ。イギリスのミュージシャンがコンサートをしないで

自国へ帰っちゃったのを日本のファンが怒っているけど、イギリス人の感覚が

普通じゃないかと思います。こんな物騒なところでやってられるか、という事。

 

 

こんな状況で韓国旅行に行くというのは、自ら進んで難民になりに行くよう

なもの。韓国行はしばらくよした方がよいと思います。

 

 

さて、読書紹介。朝鮮戦争と言えばいろいろあるが、まずは不世出の

ジャーナリスト、D・ハルバースタムの『ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争』。

2007年に交通事故で亡くなったハルバースタムの絶筆。歴史好きは読んでみよう。

 

 

アメリカの関わったいろいろな戦争のルポルタージュを描いてきた氏であるが、

最後にたどり着いたのが1950年6月25日勃発の朝鮮戦争。ここに現在の

国際情勢のひな形が形成された事を見越していた、というしかない。

 

 

タイトルのザ・〝コールデスト″・ウィンター、これは本当に寒い(それまでの

100年間で一番寒い)冬に起きた出来事からとったもの、また参戦したアメリカ

兵には帰国後のパレードなどの栄光もなく、そういった意味でもやっぱり寒い

戦争であった。

 

 

戦争は緒戦、北の進軍を止められなかったアメリカ軍を主体とした国連軍は

プサン近郊まで追いつめられるが、マッカーサーの仁川上陸で、すべて形勢が

逆転。あっという間にソウル、38度線、ピョンヤンを制圧し、北へ進撃する国連軍。

しかしその接近を歓迎しないものがいた・・・

 

 

鴨緑江を臨む付近で中国義勇軍と会戦。以降泥沼の戦いを繰り広げることに。

 

 

マッカーサーvs彭徳懐(ほうとくかい)。

原爆をちらつかせ、狂気のマッカーサーはトルーマンに罷免されるが、

アメリカ議会であの有名な演説「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」を行い

やんやの喝采。一方の中国義勇軍を指揮した彭将軍は、戦後、文化大革命

のさ中に死去。親交の深かった毛沢東に迫害された結果であった。

 

 

朝鮮戦争はアメリカ軍(国連軍)vs中国軍(義勇軍)の全面戦争であった。

おまけが韓国軍(最初から最後まで)と北朝鮮軍(緒戦は主役)。

 

 

1950年10月下旬、中国人民志願軍司令官となった彭徳懐は金日成に面談し、

「この戦争は私とマッカーサーのものだ。貴下の口出しする余地はない」と

一喝して、金日成の拙劣な戦争指揮を糾弾し、中朝連合司令部を組織して

主導権を握った(ウィキペディアより)。

 

 

まさか刈上げの若様は尊敬するおじい様がそんな扱いだったとは知る由もないか。

 

 

それにしても戦争が起きませんように!