先日から、ウィンナー・バルブについて書いてきましたが、仕組みについては詳しく書いていませんでした。

そこで、まずは、ウィンナーバルブの欠落部分を想像で補ったものを描いてみましょう。

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せっかくなのでシルバーも
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さて昨日の楽器と比べてどこが違うでしょうか、図で示すとこうなります。
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赤い部分は、キーです。これは裏側に回ってしまってほとんど判りませんね。
緑色の部分はバルブ制御の機構ですキーを押すと、この機構が働いてバルブを押し上げます。
青い部分は、バルブの頭頂部で制御機構と連動する部分です。

では、実際に、どのようにして音の変化が生まれるのでしょう。
判りやくするために、この楽器を水平に反転させて裏側を描いてみました。
裏側の写真はないので、これはあくまで想像です。また息の流れが判りやすいようにマウスピースも加えました。

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このマウスピースが息から吹き込み、最終的にベルに到達するまでの長さが倍音を含め音程を決めます。

ここでは、真ん中のバルブに着目して説明しましょう。

まずキーを開放している状態では、息はまっすぐ流れます。

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ここでキーを押すと、バルブが上がり、息がサブ管を通る様になります。

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このようにして、管の長さが変わり音程が低くなるわけです。他の2つのピストンも同様に働き、全てのキーを押したときに管が最長になるわけです。

ヤマハでは、これを2連ピストンバルブと言っているのだろうと思います。
確かに二つのピストンが連動して動作します。

これでウィンナー・バルブが、いかに動作するかわかっていただけたと思います。
現在メジャーなベルリンバルブ、ロータリーバルブについては2017年1月22日の「ピストンバルブとロータリーバルブ(構造)」に詳しく説明しているので、そちらを参照してください。

P.S.
参照ブログにはリンクを張っても良いですが、引っ越す事を考えると、Yahooブログい対してリンクを張っても意味はなく、こう書いておくしかありません。


訂正

ここでは、ウィンナー・バルブの突起部分が壊れて消えているものとして付け加えて描きましたが、実際には、突起の部分と同じ機構が管の中に隠れているケースもあるようです。よってもともと突起が見えない当初のような形のウィンナー・バルブであったのかもしれません。