ある夜の話。
新しく始まる日を記念して、
初めて行く場所で
初めてのモノを口にした。
ソコは大通りから少し入ったところの静かな街角にひっそりとあった。
大きなドアを開けて店に入ると
やさしい光と木の温もりに包まれた空間が目の前に広がった。
ゆったりとした空間にならぶテーブルとイス。
奥には2台のアップライトピアノ。
入口から少し奥の、店内を見渡せる壁際の席につく。
ある女性が”いらっしゃいませ”とよく通った声で迎えてくれた。
”この後、ピアノを弾くのでよかったらリクエストなどあれば・・・”と。
この方、フロア担当の方かと思ったら、生演奏をしてくれるプレーヤーでもあった。
まずは濃いぃお酒で乾杯を。
頼んだお酒はシーバス 12年をロックで。
無難な選択をしてしまったのは、
コノ日、初めて体験する”ブルーチーズ”のせいか?
ブルーチーズ・・・聞いた話だとビリビリするとかしないとか。
ずっと避けていたソレを、勇気を出して口にしてみた。
初めて口にしたブルーチーズの味は、ビリビリどころか濃厚な味わい。
ゴルゴンゾーラではなかったけれども、これならハマル気持ちがわかる。
何だか気持ちが通じ合えたようなそんな感覚。
他のお客さんとの距離
つかずはなれずな応対
会話を消さないピアノの音
この店の雰囲気があまりに気持ちよく、時間も忘れて長居をしてしまった。
たまには、こんなゆったりとした時間を過ごすのもいいね。
結局、何をリクエストしていいかわからなくてそのまま店をでてしまった。
今ならJoe Cockerのあの曲 を弾き語りしてもらえばよかったと思う。