皮と革と鞣すってなんだって話です | 革って使っていると アジが出てくると思いませんか?

革って使っていると アジが出てくると思いませんか?

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皮と革の違いについて

考えてみたワケデス……

 

皮を鞣(ナメ)して

革になるわけですが

 

鞣すってそもそも

何なんでしょうって話です

 

 

生き物の命をいただいて

皮をいただくわけですが

 

皮というか皮膚って

動物が生きている間は

伸縮性も柔軟性がありますが

 

死んだ後

皮をそのままにしておくと

腐ってしまい徐々に硬化してきて

ぼろぼろになってしまいます

 

そこで手を加えて腐敗を防ぎ

柔軟性と伸縮性を維持させるわけです

 

 

ではどうするのか?

 

まず生皮を水に浸して柔らかくし

皮に着いている肉や脂を

よくそぎ落とします

 

あるていど?

きれいになった生皮を

消石灰を加えた溶液につけます


消石灰を加えると

液中で水酸化カルシウムができ

これにより液性がアルカリ性になって

コラーゲンのような繊維状でない

余計なタンパク質が溶けます

 

小学校?中学校のころ科学の実験で
水酸化ナトリウム溶液を触ると

指の表面がぬるぬるした

経験がありませんか?

あれは指の表面のタンパク質が

水酸化ナトリウムで溶かされているためで

あれと同じようなことが起こります


さらに水酸化カルシウムによって

皮の中に含まれる脂肪酸が鹸化され

水に溶けるようになります


これは手作り石けんと同じ原理です

脂肪酸と水酸化カルシウムが反応して

石けん用の物質ができますが

これは水によく溶けるので

皮の中から脂肪分が除去されるわけです


余計なタンパク質と脂肪を取り除いたら、

今度は脱灰です


これは酸を加えて中和するとともに

液中からカルシウムを除きます


一般にカルシウム塩は水に溶けにくいものが多く

酸を加えていって液性を酸性にまで持っていくと

カルシウム塩が沈殿します


液性を酸性にしておくと

次のなめし工程に使うタンニンが

皮に浸透しやすくなる効果もあるます

酸性溶液でもタンニンは

なかなか皮に浸透していかないので

薄い溶液から徐々に

濃い溶液に何度もつけていくことで

皮の中までタンニンが

しみ込んでいくようにします

 

コードバンの場合

この作業で3ヶ月程です


タンニンがしみ込んでいくと

繊維状のコラーゲンなどのタンパク質と反応し

網目状に絡み合っている繊維タンパク質同士を

さらに化学反応で結びつけて

その網目構造を安定化させます


なめしが終わったら、

液性を中和しよく水洗いします


そのまま乾かすと

油分が足りず

かっちかちのばりばりに

なってしまうので

半乾きのうちに加脂剤を

まんべんなく塗り込んでいきます

 

 

こんな感じの作業が

鞣しってやつです

 

この取っても長い作業は

タンニン鞣しってやつですが

タンニン鞣しとは別に

クロム鞣しもあります




タンニンなめしの場合

何度も溶液につけないといけないので

どうしても工程数が多くなり

時間も手間もお金も

とってもかかります

 


そこで考案されたのが

化学的になめしを行うクロム鞣しです


これはタンニンの代わりに

塩基性硫酸クロムなどの化学薬品

(いわゆるミョウバンのようなもの)

こいつを使って鞣すわけですが

よく浸透するので一度ですむわけです

 

 

タンニン鞣し

クロム鞣しの

メリットデメリットについては

又の機会に……

 

 

というわけで。。。

 

 

 

今日はたこ焼きなわけです…… 

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