12月7日の今日も | すずねの書くとこ

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すずねのブログ。天使のような人が書いているブログ。私は天使。

自分が天使だと、親にも言ってはならない。
学校を休む理由は、いつも用意してる。

今日の朝も、頭が痛いから学校へ行けない、とお母さんに言った。
お母さんは私に薬を渡してきた。
私は飲んだふりをして自分の部屋に戻った。
それから手に持っていた薬を机の引き出しにしまった。
中は溜まった薬でいっぱいになっている。
仮病に仮病を重ねた結果だ。
今日も休むことができたと、私はほっと溜め息をついた。
それからの暇な時間をどう過ごそうかと考えはじめる。
基本的にはテレビを見るか本を読むかしかないので、その2択に迫られた。
今日の私が取った行動は、テレビを見るだった。
さっそくテレビをつけるとドラマがやっていた。
親と子が言い争いを始める場面だった。

「なんで俺の友達を悪くいうんだよ!!」
「違う!お前のことを言ってるんだ!!どれだけ心配したかわかってるのか!!」
「なにをしようが俺の勝手だろ!!親が子供に口を挟むんじゃねぇよ!!」
「それ、還せよ!!俺の大事なものなんだよ!!」
「いい加減にしろ!!!!!!!」

こんな感じの口論をしていて、やがて息子が家を飛び出した。
不安そうに玄関に立つ母親と、怒りで頭をカンカンにした父親。
たたみで寝ていたお婆ちゃんが突然咳き込んで、あわてて駆け寄る母親。

そこまで観て、テレビを切った。
起きたばかりなのになんだか疲れて、またベットに寝転がった。
夢の中はとても心地がいい。
私はお昼まで寝ることにした。

キーンコーンカーンコーン

起きてすぐに、遠くで学校のチャイムが聞こえた。
お昼のチャイムだ。
今頃、朝食の時間が始まっているのだろうか。
私もなんだかお腹がすいてきた。
1階に下りるとテーブルの上に昼食が用意されていた。
なんだっけ、スパゲッティーだっけ。
つるつると食べたので、麺類であることは確かだと思う。
おいしかった。
食べ終わって、再び部屋に引き揚げた。

部屋には魔物がいた。
魔物はじっと私の様子を探っている。
おそらく、隙をついて一気に私に襲いかかるつもりだ。
私はさっと視線を逸らしたふりをしてから、勢いよく部屋のドアを閉めた。
魔物はドアに激突した。
そっとドアを開けると魔物はいなくなっていた。
部屋の様子を見ると、壁と床に黒い点々がところどころに染みを作っていた。
少しだけ不気味に思った。
魔物の残り香が部屋に充満していたので、窓を全開にして空気を入れ替えることにした。
冬の冷たい空気が部屋の中に入ってきた。
今日は一段と寒い日だった。
寒いのが苦手な私は、外を歩くサラリーマンのような人を見て気の毒に思った。

魔物が出た以外に、夕方になるまでは何も起こらなかった。
ただ、夕方になって天井にできた大きな円型の染みがやけに気になった。
誰かの顔にも見えるし、ライオンにも見える?
それが落ちてきて、私を襲ってきたらどうしようと、少し不安になった
不安は現実にはならなかったけど。
それでも、あの染みはどうにかしないといけない。
何かで消すか、でも触ってはいけないものかもしれないし、そのままにしておくか。
それから染みの事をずっと考え続けた。
夜になるまで。

12月07日の今日も、特に変わりはなかった。