腕時計と全く関係なさそうな江戸時代
はい。関係はございませんです。
江戸時代に腕時計はまだ世の中に存在していないか、ヨーロッパの方でやっと出てきたか?ってくらいです。
日本では腕時計なんて江戸時代の末にだってありません。
日本にある時計と言えば置時計、東照宮にあるスペイン国王から送られた「家康さんの時計」や田中久重の作った「万年自鳴鐘」が有名です。



それじゃ~花のお江戸と腕時計ってなんだ!Σ( ̄□ ̄;)
ってことなのですが…

それは、近代日本の美的センスの土台が出来たのは江戸文化の賜物だと思っておりしまして、腕時計も類に漏れず、国産オールド腕時計のデザインの土台もそうだと思うのです。
200年以上続いた江戸時代はほぼ強制的に終わりをつげてしまいましたが、ここまで長い間日本が平和だった事はそうそうありません。
明治は近代化を急いだ慌ただしいイメージ
ホッと一時、モダンな大正から昭和初期
(この頃に腕時計は普及しますね)
大きな戦争に翻弄された昭和10年代
焼け野原から復興に向かう昭和20年代の戦後復興…
昭和レトロと呼ばれる時代まあります。
しかし明治、大正、昭和の何処をとっても慌ただしく、平和な期間は極僅かです。
ですが、そんな中に長く平和だった江戸時代に培われた「粋でいなせ」な日本独自の美的センスがずっとあったように感じます。

で、「粋」「いなせ」って何よ?
辞書によれば…
「粋」
気質・態度・身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があること。また、そのさま。となっています。
日本人独特の美的センスが「粋」ってヤツです。
「スマート」と一緒にする人もいますが、私はそんなに単純なものではないと思っています(^^)d

「いなせ」
粋で威勢がよく、さっぱりとして男らしいさまや、そのような気風。とあります。
心意気って感じですかね(^^)d

「粋でいなせな腕時計」は日本人の美的センス溢れる日本人のための腕時計ってことになるでしょうか(*^^*)
グランドセイコー、キングセイコー、シチズンデラックス、シチズンクロノマスター、ロイヤルオリエント、オリンピアオリエント、タカノシャトー…まだまだ色々ありますね、粋でいなせな古い腕時計達…

私のかなでは「日本刀と様な…」というのが「粋でいなせな腕時計」のイメージでしょうか。


質実剛健でありながらもしなやかで美しい。加えて日本人的な美しい曲線と直線の使い方…まぁ、そんな感じ…
日本人、特に男性の美意識の中には日本刀のイメージがあるような気がします。
本来、日本刀も侍の実用品ですが、その機能に特化した美しさがありますし、制作者の心意気と信念が乗っかっています。
(物騒な機能美ですけど…)

日本的な美しい絹地や木綿地のダイヤル

エッジを効かせつつも滑らかな曲線の繋ぎ
(本当ならGS、KSとかの写真があればね…(^_^;))

腕時計も本来実用品ですが、機能美っていう美しさがあります。その上に乗っかる制作者の心意気や信念っていうのも大事ですよね。
(*^^*)
高ければイイ時計!って事じゃないですし、何がなんでも舶来腕時計!ってのもおかしな話です。
(^_^;)
もちろん時計の場合、機械式、クォーツ共に一長一短ありますが、特に古い工業製品にはその国の特色やセンスが色濃く出ている気がします。
スイス製の腕時計だって昔は今みたいにバカ高かった訳ではないのです。
そりゃ、国産よりは高かったですが、少し頑張れば買えないことはなかった。
そして、買ったらガンガン使う人が多かった気がします。今もいますけどね。

今だと何かな~、そういう粋でいなせな腕時計…
オリエントスタークラシックやセイコープレザージュなんか粋かな~…なんて思います。
個人的な好みですけどね(*^^*)