蘇州軌道交通の旅(29) | 蘇州日記

蘇州日記

2015年4月から蘇州に単身赴任しています。蘇州での生活をブログに書いてる人が大勢いて、赴任前にとても参考になったので、真似することにしました。

今日は地下鉄2号線の​​高鉄蘇州北駅(ガオティエスジョーベイジャン)を紹介します。

 

前回の​​蘇州火車駅から北に9つ行ったところにあります。

 

 

 

 

 

こちらで紹介しましたように蘇州には二本の高速鉄道が通っています。

 

北京と上海を結ぶ​​​​京沪高鉄(ジンフーガオティエ)と、上海と南京を結ぶ​​​​沪宁高鉄(フーニンガオティエ)です。

 

​前回の​​蘇州火車駅は​沪宁高鉄の駅で、今回の​高鉄蘇州北駅は​京沪高鉄です。

 

 

 

蘇州北駅は蘇州駅から地下鉄で9駅も離れています。

 

蘇州駅ですら蘇州の中心地からはちょっと北に離れた位置にありますので、北駅はかなり辺鄙なところに位置していることになります 。

 

​京沪高鉄はたいていの都市でそうなっているようで、辺鄙な場所に駅があるので駅と目的地との往復は不便だが、その代わりに北京・上海間というかなりの遠距離を鉄道一本で行けるという位置づけの路線なのだろうと思います。

 

想像がつくと思いますが、​京沪高鉄は2011年という比較的新しい時期に建設された為、各都市の中心部には既に路線を通す余地がなくてこうなっているのだろうと思います。

 

一方の​沪宁高鉄は、清朝末期から既に存在した在来線の線路に沿って、高速鉄道が走れるレールを敷いたというものです。

 

 

 

僕は京沪高鉄には一度だけ乗ったことがあるのですが、南京・蘇州間という別に沪宁高鉄でも行ける区間での利用でした。

 

南京から蘇州に帰る時に、沪宁高鉄が全て満車だったのでやむなく京沪高鉄を使ったのです。

 

いつか、京沪高鉄の利点を活かして遠方まで行ってみたいと思っています。

 

(でも、めんどくさいという気持ちもあり・・・・。)

 

 

 

面倒なことに蘇州駅は「火車駅」、蘇州北駅は「高鉄駅」という名前になっており、鉄道の種類が違うような印象になっています。

 

火車というのは長距離在来線と高速鉄道の両方を含む概念です。

 

蘇州駅には長距離在来線と高速鉄道の両方が通っているので「火車駅」、蘇州北駅には高速鉄道しか通っていないので「高鉄駅」と名乗っているわけです。

 

しかし、この名前の使い分けはあくまで地下鉄側がやっているものです。

 

長距離在来線と高速鉄道を運行している中国国鉄はそんな面倒なネーミングはしておらず、「蘇州駅」「蘇州北駅」が正式名称です。

 

地下鉄側が勝手に自らの地下鉄駅に「長距離在来線と高速鉄道が通 る蘇州駅に最寄りの地下鉄駅」​という意味で「蘇州火車駅」と名づけ、「高速鉄道が通る蘇州北駅に最寄りの地下鉄駅」という意味で「高鉄蘇州北駅」と名づけているわけです。

 

 

 

​さて、前回から8つも駅を飛ばしたのは、​蘇州火車駅と高鉄蘇 州北駅は連続して紹介した方がわかりやすいだろうという意図もあるのですが、それよりも、この間に特に降りてみたい駅がないという事情の方が大きいです。

 

本当は、つい3ヶ月ほど前までは降りてみたい駅がいくつかあったものの、今年の4月に4号線が開通したことによって、それらの目的地は4号線の駅から行った方が近くなってしまったのですよ。

 

 

 

とは言え、多少は紹介すべきポイントがあります。

 

日本の地下鉄でも郊外の方では一部で見られる光景ですが、​蘇州火車駅から少し北に行くと、軌道交通2号線は地下鉄ではなくなり、高架を走る電車に変わります。

 

そして、高鉄蘇州北駅の直前でまた地下鉄に戻るのです。

 

高架のままだと高速鉄道とぶつかっちゃいますからね。

 

 

 

そんなわけで、高鉄蘇州北駅のひとつ手前の大湾(ダーワン)という駅でちょっと途中下車してみました。

 

地下鉄の区間はホームと列車の間が完全にガラス張りになっているので、車両の姿をきれいにカメラに収めるのは難しいのですが、高架区間だときれいに写すことができます。

 

 

 

 

こちらが駅の外に出てみたところです。

 

 

 

 

さて、肝心の高鉄蘇州北駅にようやく着きました。

 

蘇州火車駅の方は火車駅の真下に地下鉄駅があるという構造でしたが、高鉄蘇州北駅の方は高鉄駅と地下鉄駅が隣り合っています。

 

下の写真の向かって右側の背の高い建物が高鉄駅で、左側の背の低い建物が地下鉄駅です。

 

 

 

 

建物自体はくっついているのですが、利用者にとっては直結とは言えず、地下鉄駅と高鉄駅を行き来するには、一旦外に出る必要があります。

 

駅の構造上は直結で行けるようになっているのですが、なぜかその通路は使われていません。

 

下の写真は地下鉄駅の改札を出たところ。

 

目の前のドアの向こうが高鉄駅なのですが、このドアは閉鎖されており、右側の駅の出口から外に出てから高鉄駅に再度入ることになります 。

 

 

 

 

尚、地下鉄駅はが隣接しているのは、 高鉄駅の裏側というイメージです。

 

この駅は蘇州市の北の外れの方にあるので、南側が正面、北側が裏面という雰囲気であり、高鉄への乗車の為に高鉄駅に入る入り口も駅の南側にしかありません。

 

これに対して、地下鉄駅は高鉄駅の北側に隣接しています。

 

 

 

こちらが高鉄駅を南側から見たところ。

 

 

 

 

地下鉄に乗るには、高鉄駅の建物に所々空いているトンネルを抜けて北側に出る必要があります。

 

 

 

 

高鉄駅の一番端まで歩いてみたら、停車中の高鉄車両の端っこが見えました。

 

駅の外から車両が見えるように、わざと壁が斜めにカットされているんでしょうか?

 

 

 

 

この駅の周囲ですが、高鉄駅以外には殆ど何もないという印象です。

 

駅前にはさすがに何件かのビルが建っていますが、ビルとビルの間の間隔がまだまだ広いです。

 

 

 

 

そして、ちょっと角度を変えると工事中の場所が目立ちます。

 

 

 

 

駅から2ブロックほど行ったところに、かろうじてショッピングセンターがありました。

 

時代広場にもある圆融広場です。

 

 

 

 

このショッピングセンターのあたりで撮影した高鉄の線路。

 

撮影者である僕の背後にはさっきのショッピングセンターがあるのですが、逆を向くと高鉄の線路以外には何もないわけです。

 

 

 

 

なんとなくこの周囲は20年くらい前の新横浜駅周辺を思い起こさせます。

 

あと20年くらい経ったら大都会になるのでしょうか。

 

 

 

駅の近くの歩道にはこんな垂れ幕がありました。

 

駅前広場の中と橋の上では花火・爆竹は禁止なのだそうです。

 

 

 

 

 

蘇州市の主要部分では、今年の1月1日から花火・爆竹が完全に禁止されました。

 

しかし、この場所は相城区という北の外れなので、この規制自体は対象ではなく、一部区域のみ禁止ということのようです。

 

だけど、駅前広場が禁止というのは理解できるのですが、橋の上がどうして禁止なのでしょう?

 

まさか、花火・爆竹で壊れてしまうような橋というわけじゃないですよね?

 

 

 

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