アメリカの大学の多くにはEarly Decision、またはEarly Actionという制度があります。要は入学願書を普通より早く提出すれば、合格不合格の通知を普通より早くもらえるのです。DecisionとActionの違いは、前者では合格だった場合絶対にその大学へ行かなくてはいけなくて、後者はそういう規制がないというとこです。ちなみにハーバードではAction制度があります。
一見この制度は絶対オトクのように聞こえます。もう行きたい大学が決まってさえいれば早く入学願書を出して合格すれば、後は残された高校生活を満喫するのみ。不合格で他の大学も受けるハメになっても、それはEarlyで出さなかったことと同じこと。その上、exodus さんが「Earlyで応募した賢明さ 」に書かれたように、Earlyで出す方が合格率が高いとくればEarlyで出さない人は間抜けのようにさえ見えてくるかもしれません。
僕も高校卒業一年前までは、絶対にEarlyでハーバードを受けるつもりでした。しかし、僕は次の本を読んで自分が恐ろしく無謀なことをしようとしていることに気付き、Early計画を即行で止めました:
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残念ながらこの本はとっくの昔に処分してしまったので何と書いてあったかは正確にはお伝えできませんが、要はEarlyで受ける志願者の方が普通に受ける志願者より質が良いそうです。考えてみれば納得いきます。Early応募の締め切りというのは大抵11月1日ぐらいです。それまでに全て(SATの勉強、エッセイの作成、推薦状の依頼(ゴマすり)、大学の下見、生徒会選挙、甲子園出場、ブラジル遠征、ガンの特効薬の発明、ボランティア活動)を済まさせないといけないのです。新学期の9月から始めるにしては遅すぎるでしょう。つまり高校最後の夏休みを費やすぐらいの覚悟が必要なのです。小学生の頃、新学期の初日は毎年朝早く起きて泣きながら夏休みの自由研究をやり始めていた僕には、そんな気合の入った奴らを相手にする度胸はありませんでした。
ハーバードのウェブサイト にも同じようなことが遠まわしにほのめかされてます:
Regular Action is clearly preferable for those whose candidacies will be strengthened by senior year extracurricular achievements and improved academic performance. |
つまり早めに入学願書を出して高校最後の一年を遊んで過ごす権利は、それまでにちゃんとやることをやってきた人のみに与えられるのです。今まで遊んできた分高校最後の一年、ちったあ苦しんで挽回しなさい、ということでしょう。僕も高校最後の一年、大学決まるまでストレスで禿げるのではと心配するほど苦しみました。