実家に行く度に、母が残したもので使えそうなものを引き取って使っています。
両親共に大変倹約家だったので、安い時にせっせと買ったものを結局使わずに処分ということになると、何よりも悲しむ気がして。私もこの両親のもとで育っているので、そんなもったいないことするわけない
大量にのトイレットペーパーやボックスティッシュ、洗剤等も、実家に残ったものたちを、同じ両親のもとで育ったはずの妹は汚がって捨てたり、私に持って帰らせました
私は汚いと思ってないので、出てくる度に貰って帰るのです
マジで汚くなんてないのよ!?
そういう訳で、日用品はずいぶんと母に助けてもらいました。
トイレットペーパーでも歯磨き粉でも、新しいものを出す度に思い出してしまう、母が自転車カゴ一杯に買い物袋を詰んで帰ってくる姿。
先週会った母を思い出しても、もう何も悲しくはないのに、元気だった頃の母を思い出すと、何をしていても涙が溢れてしまいます。
もうあの時の母に会える日は決して来ないことがわかっているからなんでしょうね。
母が残したものは食品もありました。ホットケーキミックスは12袋もあったし、1キロ入の砂糖も7〜8袋ありました。
それらはみんな封を開けていない状態だったのですが、
5枚だけ残した干し椎茸の袋がありました。たくさん入っていた中の最後の5枚です。
料理に自信を持っていて、いつも嬉々とした台所に立っていた母。
この干し椎茸を買った頃は元気だったんだろうか。
この干し椎茸で何を作ったんだろうか。
この袋から椎茸を出しながら、わからなくなっていく自分に辛い思いをしたことがあったかもしれない。
この袋を手に、泣いていたことがあったかもしれない。
椎茸を使い切ると、あの頃の母が残したものが無くなると思うと使えなくて、大切にしまっておいたのですが、ふと袋の賞味期限を見ると、昨年の11月になっていて
あんなに大切にしてたのに、何の躊躇もなく水でもどしました
いつの間にか賞味期限を過ぎてしまっていた干し椎茸を入れて作ったごった煮。
私は幼い頃から椎茸が苦手で、中でも干し椎茸は特に苦手でした。
結婚して毎日料理をするようになってからも干し椎茸はほとんど使いませんでした。
母がよく「干し椎茸いらんか」と聞いてくれたけど、「干し椎茸きらいやねん」と断ってた私。
数年前くらいから椎茸の良さに気づいて、好きになっていたけど、結局母から干し椎茸を貰うことも、レシピを教えてもらうことも一度もないままでした。
こんな風になってしまうなんて思ってなかったのに。
煮物を作りながら、久しぶりに母を思って泣いた私なのでした。