グループホームの施設医の先生にお話を伺ってきました。
この先生が紹介状を書いて下さり、精神科を受診した母。その診察結果が先生のところへ「お返事」として返ってきたのです。
そのお返事の内容を伺うための面談です。
待ち時間の間に、施設長から普段の母の様子を伺いました。
母は、今職員さんの一人を、なぜか自分の夫だと思っており(仮にKさん)
そのKさんが「職員」として接する(当たり前なんですが)と、怒りのスイッチが入るらしいのです・・・
毎朝、入居者が順番に自分の名前を言うのですが、そのKさんが、母に向かって「じゃあ、N子さん(母の名)、お名前をお願いします」と促すものなら、
あなた、私の名前なんて知ってるでしょ!!
Kさんが「いえ、順番にみんなに名前を言ってもらってますからね」
などと、丁寧に返しても
なんでそんな他人行儀な物の言い方してるの!!
・・と怒って部屋に戻っていく・・・
というパターン
他の職員さんに対しても、自分が納得いかない回答が返ってくると、怒りの感情を出すことも多いらしいです。
一方では職員さんがすることをよく観察し、「こうした方がいいんじゃないの?」と口出し。(これが結構正論らしい)
そして、自分が気になることはひたすら質問攻め。
他の利用者さんの部屋に職員さんが介護のために行っても、その部屋まで付いていく。冷蔵庫に一つ自分のものを入れたら、その次は冷蔵庫のものは全部自分のものだと思う。
‥エピソードは続きました。
そして施設長さんはおっしゃいました。
ご自分がすることに、ものすごく自信をもってらっしゃいますね。
良いことだと思うのは、たとえ悪いことでもご自分にとって都合の良いように話を変えておられて、落ち込むとか、悲しむことが一切無いところです(笑)
それ、本人にとってはかなり得な性分だけど、普通だったら嫌われるヤツじゃないの・・・
母はもともと、謙虚なタイプではありません。
表面上、謙遜することはあっても、内心では絶対に「私はすごい」と思っているタイプ。
気に入らなかったら口撃することも度々ありました。父はよくターゲットでした。
そんな母でも我慢して感情を抑えていた部分が、認知症によって全くコントロールされていない状態
話を聞いていて、なんとなくわかりました。
妹の「施設はお母さんを追い出そうとしてる!!」と言うのは若干極端な表現だとしても、
職員さんたちの手間をとらせているのは確実でした。
実際、その後診察室に入って
内科医の先生から、精神科の受診を勧められた理由(決定打?みたいなもの)を聞くと
・・・という感じで、スタッフの方の手間がどんどん増えてくると思いまして。
とか
このままでは、スタッフの方の手間が増える一方で
と必ず最後に「手間が増える」がついてくるのです。
もちろん、それは職員さんにとっては大きな問題です。
施設長から初めて聞いたグループホームでの普段の母の状態。
私の前ではニコニコと職員さんにお礼を言っていた母。
いつも笑顔で見送ってくれる職員さん。
いろんな場面が頭をよぎりました。
精神科を受診→入院
一番の理由は何なのか。
やっと今のグループホームに慣れてきて、自分の居る場所とやっと認識できたところだったのに。
心の中では、言いたいこと聞きたいことだらけなのに
黙って先生の話を聞いておくだけでいいんでしょうか。私は思い出していました。
抗ガン剤治療を終えることを告げられ、父がいつまでも納得しなかった昨年の夏。
あの時も私は先生の言いなりで、なんとか先生の言葉を受け入れさせようと
全く父の味方にはなってやりませんでした。
それが父のためだと思い込んで、父にとっては絶望的な言葉を
娘としての身近な立場を使って父に聞かせ続けたのです。
母の認知症を疑って、脳神経外科の先生に訴えた時
「問題ありません」という医師の言葉に
何も言えなかった時もそうでした。
先生という偉大な存在の前に、
知識がないことと、
患者は医師に嫌われてはいけないという思いで、いつも言いたいことが言えない私。
先生のいう言葉を、違和感を感じながらもそのまま聞いているだけでは
私がここに来た意味はありません。
納得のいく受診の為に、本当に母の為になる治療の為にと、
私は心を落ち着けて、できるだけ言葉を選んで、先生に言いました。
こんな言い方しては失礼になるかもしれませんが、
母はスタッフの方の手間が増えるから、精神科を受診するということなんですか?
受診は本人のためではないのでしょうか?
施設長さんが横に座っていて、
内科医の先生も、とても良い感じの女医さんで、
この二人には何の不満もないけれども、
認知症であるがためと思える症状の母が、精神科を受診して、その上入院しないといけない理由を
私はどうしてもはっきりと聞いておきたかったのです。