がん哲学外来
昨日、東京九段下のホテルグランドパレスにて社団法人 日本医学協会の45周年記念式典が開催された。
記念講演として、順天堂の 樋野 興夫先生が「がん哲学外来」についての講演をされた。
「人は肝臓だ」「がん患者の大部分は、がん以外の心配事である。」
など、ユニークで、しかし感銘をうける内容の講演であり、いままでの医療に足りなかったのではないだろうか? と思うことの多い内容の事柄を実践していらっしゃるご自身の活動も含めて知ることができ、大変ためになる内容の講演を聴いた。
さて、そのご自身の活動だが、
通常の外来での診察では、カルテがあり、通り一遍等のやりとりが行われる。
そしてその中で疾患の診断を行い、その治療方針を決めて投薬などを行ってゆくことになるが、なんと、がん哲学カフェをつくり、街中のカフェなどで外来となるような場所を提供し、必要に応じて担当者(医師など)が対応するが、堅苦しくなく、困っていることの相談相手として傾聴し、相手に接するということだそうだ。
当然、カルテもないし、医療行為もない。
話し相手として1時間ほど、お茶をする
これに賛同したスタバがこのような外来のためのカフェを無料で提供してくれるという・・・。全国展開しているこのようなカフェでこのような取り組みがおこなわれれば、多くのがん患者は救われるだろう。 そしてそのような取り組みをおこなっていらっしゃる。
ご自身は、島根生まれで、過疎化した地区に育たれ、故郷の過疎化に対して、エンディングケアの地区として、空家をそれに使い、町全体でそれらの方々のケアを行ってゆこうという試みも始まるという。
何かを行おうとすると、大抵はリスクを考え、なるべくことをおこさないように動くのが人の常・・・。
ご自身の利害を超えた高い志を貫くためには想像を絶するご苦労があったことと推察される。
いまの日本に必要なのは、変化を恐れず、立ち向かう強い意志と実行力だと痛感させられる内容であった。
また、病理学者である視点から、死をみつめ、「いくら偉くても、いやなやつでも、だれでも亡くなったあとは病理的にみな同じ・・・。」 というような意味あいのお話もあったが、なるほど・・・とおもったら、いろいろなストレスから解放される思いがした。
現代医学に欠如している患者と向き合い、寄り添う姿がここにある。