高齢者は暮らしていけない・・・・を読んで | 内藤接骨院 院長の日記

高齢者は暮らしていけない・・・・を読んで

岩波書店より献本されてきた「高齢者は暮らしていけない」を読んだ。
著者の結城さんとはちょっとした知り合いであり、しばしばTVに介護関連問題ではひっぱりだされてコメントを行っている淑徳大学の准教授であり、私と同じ(社)日本医学協会のメンバーだ。

数人の共著となっているが、現状の高齢者が介護、医療をうけるにあたりいかに多くの障壁があるか記載されている。
現状の年金だけでは暮らしていけない人達が多く入る。
厚生年金ならまだしも、国民年金は自営者の収入が代々伝わることから高齢になり、引退後はその子供が後を継いで生活をまかない、引退後は年金が小遣いになる程度ということを国は思って設計した感が否めない。
ところが、リストラ、核家族化、少子化の影響で、多くの人達がいつ経済的に困窮するかわからない時代になり、ことは一変する!

昨日まで普通に働いていた人が急に会社が倒産し、会社が社会保障費を支払っていなかったりすれば、年金もおりない、健康保険もきかない、失業保険ももらえず、セーフティーネットの欠落が多くなってきているという事実が如実に記載されている。

東京、山谷のいわゆるドヤ街についての記載もあった。
資産が少しあったり、少し収入があったりすれば、生活保護がうけられなくなる。
個々の事情に考慮した行政対応はおこなわれず、社会保障という契約によってその範疇がきびしく制限されており、やむなくホームレスになる人、社会生活に不適応であり、ホームレスになる人・・・
さまざまな人がホームレスにいつなってもおかしくない現状がある!

体調がよいうちは、野宿もよいが、高齢になれば健康状態は良くなくなる。また、認知症などもでてくれば、大変な問題になる。

家族には縁をきられ、孤立する老人も増えている。
現場をしり、問題点を露呈させなければ現状はかわらない。

まずは現状を知ることからはじめてみたい。

結城 康博,嘉山 隆:高齢者は暮らしていけない,岩波書店,2010