医療と財源 | 内藤接骨院 院長の日記

医療と財源

平成21年8月1日(土)、毎年恒例となっている日本医学協会の夏季研修会が、東京の芝 弥生会館にて行われた。
今回の講師は、東京女子医科大学 医療・病理管理学教授の上塚芳郎先生である。
先生は、渋谷区で開業されていた経験から、そのときのテナント代金と医療による収益のバランスがあまりに不均衡であることに疑問を持たれ、医療経済への関心を高められ、その研究を始められた方である。
 今回の講習では、厚生労働省の研究や医療費についての施策に対して意見を求められるお立場から、現在、実際に問題となっている医療財源に関する事項について、講演をしていただいた。
 現在、わが国において、その医療財源が乏しくなってきた事実があるが、これは医療を含めた社会福祉費用の伸びに対するGDPの伸びが、低迷する日本経済によってアンバランスとなってきていることに主たる要因があるという。
 そしてこの事実について他国との比較を交え、またその諸事情を医療制度の観点や統計資料に基づくデータから解析されたお話があり、これらによって現在の医療政策のピットホールが浮き彫りにされた。
 結論として、このような現状の医療に関する経済的問題を解決するには、増税により医療財源を増加させる手立てをとるか、財源に見合った医療を行い、足りない分を混合診療でまかなうかの方法しかないということであった。
 その後、簡単な質疑のあと、場所を変えて食事を取りながら、メンバーとの意見交換が行われたが、経済のアンバランスがあらゆる面で国民に不平等をつくり、格差を作る要因となったのであり、それをいかにして平等にするかなどが特に医療、介護の面から話され、ドイツ医療制度に詳しい東京医科歯科大学 名誉教授 岡嶋道夫先生のご意見も多く出され、討議され、ドイツを手本とした日本の医療の値段はいかにして最初に決められたのか。 などを会長の信田先生からの提案で今後日本医学協会にて研究することとなるなど、充実した内容の研究会となった。
 その他、多くの問題点について討議されたが、よい医療を提供すると、採算に合わなくなり、質の低い医療を数多く提供すると儲かるなどといった実態に即さない面の多い、おかしな現医療制度や、医療を享受する国民の医療制度の理解不足なども解決してゆくべきことであるとの話もでて、白熱した討議が長時間にわたり行われた。
 初日の講義を受けたまとめとして、医学協会から政府に対する要望として、本日の講演を受け、協会の根本理念である、その財源と医療の考え方などに即した提言を今後行ってゆきたいとの考えを参加したメンバー一同で共有し、初日の研修会を終えた。