重要な気づきを、こちらに共有したいと思います。

原因を深掘りして考えていくと、いくつかの根本原因にたどりつきます。

 

例えば資本主義の搾取を生み出す競争原理による疎外を根本原因と見定めた場合

、社会課題を生み出さない新しい共感資本主義の経済団体を立ち上げていったり、

自給自足ができる共助のコミューン経済をつくり広げていくという

大掛かりな解決策も選択肢としてでてくるだろう。

 

しかしもう一段掘り下げて、社会的弱者ともいわれる多くの当事者たちが、たとえ選挙に行かなかったり、経済社会の中で声を上げないのは、搾取される現状を大多数が「仕方ない!」と甘んじている意識の海原が、その背景に横たわっているのではないのか?

 

自尊心の低さという心の問題である。

 

長期にわたり沖縄で数千の人々をヒアリングしてきた樋口耕太郎氏(沖縄大学人文学部准教授)によると、目の前の当事者自身に関心をもつに留まらず、その人が関心を持ってることに関心を向ける、どこまで自分ごととして意識を向けれるかが根本解決につながるのだという★

 

こどもの多くは、心から対話する相手をもたない。(自殺を一度や二度、考えた子も少なくはない。)親も教師も親友も、彼らの本当の苦しみを知らない。彼らの絶望は、抱えている問題そのものよりも、自分の気持ちが理解されないことにある。

 

例えば、こどもが関心を持ってるアニメを一緒に見て「いま何が起こったの?」と質問して、驚いて、一緒に楽しむ父親は、こどもの関心に関心をもっている。

 

こどもはそんなお父さんが大好きだ。

 

そのお父さんが宿題を手伝ってくれたら、自分から率先して宿題に取り掛かるようになる。こどもにとって、そんなお父さんは、アニメより大切だからだ。誰かとつながっていることが実感でき、自分には価値がある!と信じられるようになる。自尊心が回復し、挑戦する勇気が蘇り、勉強という自分の問題に自分で向き合うようになる。

 

また樋口氏の教え子で、貧困家庭の自尊心を回復しつつある女子学生は、自らの意志で休学して工場で住み込みで1年半バイトし、150万円貯めて留学するという。奨学金にも頼らず無借金で社会へ出ていく。彼女はもうおそらく貧困には戻らないだろう。

 

いじめにしても、いじめっ子の動機は「一緒にいじめなければ、自分がいじめられる」という孤独への恐怖だったりする。そういう子に「いじめを止めろ!」と、大人の関心だけをぶつけると、こどもは「自分の本当の気持ちを分かってもらえない」と感じ、孤独を募らせて問題を深めてしまう。

 

いじめは症状にすぎない。

 

根本原因は孤独の痛みであって、その子のために立ち止まり、子どもの関心への関心が、こどもの孤独を真に癒す。

 

この視点で社会を見つめ直すと、夫婦間の問題への相互理解、組織を支える社員の本当の気持ち、男性社会で女性が生きることの意味など、次々にあぶりだされてくる。

 

驚くほどの人々が、身近な人に対して関心を持ちながらも、その人の関心ごとに無関心であることがわかる。この視点を押さえたうえで、学校・居場所や福祉施設の運営者・NPOやソーシャルワーカーたちにも、そのように当事者たちとの関係性を多面的に広めていってほしいと願います。

 

じつはこれ、1→10→100→1000人と、末広がりに加速していけます。私も起業支援をしつつ、その周りで関わる若者たちが自尊心を高めるためのコミュニケーションを、今後も継続していきたいと思います。