はやいもので7月も終わりですね。 
以前拍手のお礼文として載せたモノに、オマケをつけてUPします。

結局mamiはやっしぃ押しです(๑•̀ㅂ•́)و✧


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イタズラゴコロ
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SIDE:蓮

ほんのイタズラゴコロだったんだ

 

やっと、やっとの思いで交際まで進展したキョーコとの関係

まだまだ始まったばかり

俺の囁く言葉に恥じらうキョーコの姿とか、それでも必死で俺に応えようとしてくれる仕草のひとつひとつに、俺は浮かれていた

そんな彼女の初々しい姿も可愛くて、そういう関係になるのはもう少し先でもいいかな。と思っている

とはいえ、俺を男としてもっと意識してほしいと思う気持ちがないわけではない

「今日は一緒にお風呂に入る…?」

まだキスだって数えるほどしかしたことないのに…

半分冗談で、でも半分期待を込めて

あまくあまく囁いた俺の声

「つつつつつつ敦賀さんっ!?…は、は…はれっはれっ…はれん…ち……ですぅぅ!!」

そう顔を真っ赤にして、大きな瞳に涙を溜めながら慌てる彼女……

 

を、想像したのに……

「はい。先に入っていますから、後から来てくださいね」

「え……」

今、なんて?

「あんまり遅いとのぼせちゃいますから、はやく来てくださいね…?」

真っ白なほっぺをピンクに染めて、小首を傾げながら上目遣い

極めつけにそっと俺の袖をきゅっと握る始末!!

どうしてくれようか!?

…ていうか、どうしたらいいんだ俺!?

「すぐに行くから待ってて。俺が丁寧に洗ってあげる」

余裕なフリをしてそう返すのが精一杯だった

 

「やられた……」

 

彼女が消えたバスルームからシャワーの流れる音が聞こえ、俺はソファに深く沈みこんだ

 

 

 ☆

 

SIDE:キョーコ

ほんのイタズラゴコロだったの

 

私の心の殻を丁寧に丁寧に剥がしてくれた敦賀さんとの交際がはじまった

まだまだ始まったばかり

何もかもが初めての私には、キスさえもまだ少し早いかな?と思ったけど、敦賀さんの気持ちに応えたくて

なにより、私が彼にもっともっと近づきたかったから…

それなのに、甘い言葉ひとつ、キスのひとつにも心臓が口から飛び出して、100メートル先まで飛んでいきそうなくらいに動揺してばかり

私はいつもいっぱいいっぱいなのに…

いつも余裕な彼が時々無性に憎らしくて悔しくて

「今日は一緒にお風呂に入る…?」

長い腕で広い胸の中に私を囲ったまま、私に囁くあまいあまい声を聴いた瞬間に閃いてしまった

「はい。先に入っていますから、後から来てくださいね」

「え……?」

ふふふっ。敦賀さんの驚いた顔なんて、なかなかお目に掛かれない

「あんまり遅いとのぼせちゃいますから、はやく来てくださいね…?」

こんな破廉恥なこと言ってしまって、敦賀さんに引かれないかしら…?

少しだけ怖くなって、思わす敦賀さんの袖を掴んでしまった

「すぐに行くから待ってて。俺が丁寧に洗ってあげる」

ぎゅっと引き寄せられ、耳元で囁かれた

やっぱり敦賀さんは余裕だ

 

余裕なフリでバスルームに入ると、不自然にならないようにシャワーを捻る

「どどどどどうしようぅぅぅぅ~」 

 

敦賀さんが来るまであと少し……

私、これからどうしたらいいの…!?

 

 

 ☆

 

 SIDE:社

ほんのイタズラゴコロだったんだよぅ

 

ヘタレにヘタレを重ねた蓮が、やっとの思いで実らせた想い

蓮とキョーコちゃんの交際が始まって、誰よりも安堵したのは他でもない俺だったと自負している

天然記念物級の純情乙女なキョーコちゃんと、イロゴトは百戦錬磨でも恋は初心者っていうフトドキモノな蓮

毎日聞かされるノロケ話の腹いせに、付き合い始めたものの、なかなか進展しない二人にすこし発破をかけるだけのつもりだったんだ…

 

翌朝現れた蓮の疲れきった表情

「れ、蓮…くん?」

「社さんのせいですよ」

これがイケメン俳優の『ジト目』ってやつか…

呑気にそんなことを考えた俺は、現実逃避ってやつをしたかったんだ

「な、なんで俺…」

「社さんが昨日、余計なことを言うから…」

「喧嘩でもしたのか?」

おいおいおい、これから大事な映画の製作発表だぞ!?

そんな顔で舞台になんて出せないぞ! 

…まぁ、『敦賀蓮』がそんなことするはずがないのはわかっているけれど

「一緒にお風呂に入りました」

「…はぁ??」

なんだ仲良しさんじゃないか

聞いて損した

「よかったしゃないか。キョーコちゃんとラブラブイチャイチャできて」

「………」

無言の抗議

こわいこわいこわい

「な、なんだ?」

恐る恐る尋ねると、深~いため息の後蓮が語りだした。

「お風呂で待ってるってキョーコが言うから、少し時間をずらしてバスルームに行ったんです」

「…うん」

「頬をピンクに染めながら誘うキョーコが可愛すぎて…」

「……はぁ」

これ、最後まで聞かないといけないのか?

「そしたら…」

 

 

事の次第を要約すると…

可愛い彼女のお誘いを受けてウキウキとバスルームに向かったら、バスタオルぐるぐる巻きのキョーコちゃんが入浴剤3個も投入された真っ白なお風呂に肩まで浸かっていたと

『恥ずかしいから向こう向いてください』

のお願いに、終始背中合わせ!

もちろんお触り厳禁!!

以上!!!

 

会話もそこそこに逃げるようにバスルームを後にしたキョーコちゃん

不完全燃焼な蓮くん

 

「……れ、蓮。大丈夫か?」

「はぁぁ~~っ」

大きなため息とともに机に突っ伏した蓮に、それくらいしか掛けてやれる言葉が出てこない

 

記者会見まで残り30分

こんなコンディションの担当俳優…

俺、どうしたらいいんだよぉ~!?

 

 






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