久しぶりに書きました(;´∀`)
リハビリに短いモノを。
雰囲気、変わってないといいけど…
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彼と私 〜朝〜
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甘い微睡の中、ふと隣にあった温もりが動き出し、沈んでいたシーツが浮きあがる。
気怠い身体を沈めたまま薄く目を開けると、つい先ほどまで自分を包み込んでいた長く逞しい腕の持ち主が、奥床に散らばった二人分の衣服の中からシャツを拾い上げていた。
昨夜、口付けを交しながら一枚一枚丁寧に剥ぎ取られた私の衣服と、深くて甘い高みに連れて行かれた私を見下ろす熱い瞳の彼が自ら脱ぎ捨てた衣服。
重なるようにベッドの下へと散らばったそれを身につける、均整のとれた芸術的に美しい背中から目が離せなくなる。
(きれい………)
「…ん?」
心の中で呟いたはずの言葉は、どうやら声になって溢れていたみたいで…
「おはよう」
カーテンの隙間から差し込む朝日越しの、彼の柔らかくて暖かい笑顔。
それは日頃、芸能界という華やかな世界の頂点に輝く、『春の陽だまり』のような微笑みとはまた違った…
(私にだけ見せる笑顔)
嬉しくて…
恥ずかしくて…
でもやっぱり嬉しくて…
ふよふよと上がりそうな口角を隠すように、頭までシーツを被った。
シーツの中で丸くなってもぞもぞしていると、すぐ横でベッドが沈み、大きな手のひらがシーツ越しに私の頭を撫でた。
「キョーコ。顔…みせてよ」
「だめ…」
「どうして…?」
だって寝起きの私はきっと…
昨夜散々啼かされたせいで、きっと目は真っ赤で。
振り乱した髪はボサボサだし。
たくさんキスを交わしたせいで唇は腫れぼったくて。
声だって掠れてる。
寝起きで乱れた姿でさえ、壮絶な色気漂う敦賀さんには到底お披露目できるようなモノじゃない。
「こんな…どこもかしこも残念な感じ…敦賀さんにお見せできません…」
もう何度も見られていても、やっぱり恥ずかしくて、シーツの中から目だけを出して呟いた。
「……」
沈黙は肯定。
しばしの静寂に、敦賀さんが呆れたんだと悟った。
悲しくなってもう一度シーツの中に閉じこもろうとした瞬間、私を包むそれごと抱えられ、彼の膝の上に乗せられた。
「っ!?」
その弾みで頭から被っていたシーツがパサリと落ち、残念な私が顕になってしまった。
「あっ…あの、あの…」
「見せて」
「…はぃ?」
なんて羞恥プレイ!
思わず見上げた先の敦賀さんの表情に、私は息を呑んだ。
(なんでここで神々笑顔!?)
「見せてほしい」
「な、なんでっ…?」
「だって、その潤んだ大きな瞳は昨夜俺を一生懸命受け入れてくれた証しだし、その少し絡まった髪は俺の行為に夢中になってくれた証拠」
そう言って敦賀さんは大きく温かい手で優しく髪を梳きながら続ける。
「この紅くてぷっくりとした唇は、あまくてあまくて俺が夢中になって味わったせいだし、この声はたくさんの可愛いセリフと啼き声を聞かせてくれたせいでしょ?」
「なっ…なっ…」
「そんなキョーコを見るだけで、君が恋人になってくれたことを実感するんだ」
だからよく見せて?
あまい声で囁きながら、ひとつひとつ掠めるように辿る指先が、昨夜の出来事を鮮明に呼び戻す。
「ほら。思い出しただけでそんなに色っぽい顔して」
なぜか咎めるように、口を尖らせて敦賀さんが呟く。
「そんな顔、見せるのは俺だけにして」
「そんなの、当たり前…」
ふてくされたような表情は、普段より少し幼く見えた。
「でも、キョーコだってドラマや映画で…」
確かに、成人してから恋愛色の強いドラマのオファーも来てるし、そういうシーンだって演じたこともある。
「撮影の時はもっとメイクさんが綺麗に整えてくれますよ?」
敦賀さんのわがままが愛おしくて、首に腕を巻きつけた。
「じゃあ、この姿は俺だけのキョーコだね」
嬉しそうに微笑んだ笑顔は、眩しくて目が合わせられないほどだった。
「敦賀さんこそ、朝からこんなに壮絶な色気…」
照れ隠しで彼の首筋に顔を埋めたまま、反論する。
「大丈夫。キョーコにしか本気で欲情しないから」
「!!」
ククッと笑う敦賀さんの震える肩に乗せた顔を上げられないでいると、そっと髪に彼の優しい唇が降りてきた。