母が体調をくずしてから、在宅介護14年になった。

今年、91歳になった母は、2ヶ月前、脳梗塞からのリハビリ病院に転院した。さらに先日誤嚥性肺炎を起こし、入院前より身体状況が一段落ちてしまった。

同い年の父も弱っていく中、医師から、「これ以上の在宅介護は難しいだろう」と告げられている。

要介護3認定を受けていたが、現在、介護区分変更申請をあげている。退院後に入る老健への申し込み、特養の見学・申し込みも進めている。

 

母が使っていた福祉用具の返還が近づいてきた。 まだベッドも手すりもそのままだけれど、周りに置いてあった通所サービスに行く時のかばん、リハビリパンツ、シャンプーなどを片付けている。

 

片付けている最中、ふと「ぽかんとした寂しさ」を覚える。こうして在宅介護の痕跡が消えていくのだ。 同時に、家が少し片付いていく安堵もある。 この二つの感情が静かに同居している。

 

特に、通所サービスの連絡帳や訪問医療・看護の連絡ノートに触れたとき、介護の“日々の記録”、時間そのものが紙の上に残っていて、手が止まる。

いずれベッドが撤収され、空いたスペースを見るとき、 また違う種類の寂しさが来るのかもしれない。 今はその前段階として、介護生活の名残を自分の手で少しずつ整理している。