私は家事全般が苦手だ。
まぁ、その中でも洗濯と食器洗いはほぼ機械にお任せなので、実質残されたのは「掃除と料理」なのだが…。
これらも決して嫌いなわけではない、苦手なだけ。
こんな私でも、無性に「なにか凝ったものを作りたい」とか、「なんかとんでもなく隅から隅までキレイにしたい」と思う日が年に数回、突然やってくることだってあるのだ。
その無性になにか凝ったものを作りたい、と思う年に数回のうちの1回は、ほぼこの時期に来る。
それは店頭で「筍」を目にした時。
この瞬間、私は筍を前にしばらくその場から離れない怪しいおばさんと化す。
「筍」って、ホントに高いんですよね…。
しかも外身の大きさの割に、中身はとてもとても小さい事が多い。
でも、でも、でも…パックの水煮ではなく、私は丸ごと茹でて一晩冷まして寝かして、あのバリバリのガチガチだった皮がゆるゆるになったやつをつるりとむいて出てきた筍をザクザクと切る瞬間の達成感がたまらないのだ。
そしてそれで作った「たけのこご飯」を食べるあの幸せの瞬間を、最低年に一度は味わわないと気がすまないのだ。
元来「すぐ動く」ことが超苦手な私にとって、すぐに鮮度の落ちる「筍」は強制的に「やる気スイッチ」を押してくれる数少ないアイテムの1つなのよね。
その日は昨日、訪れた。
いつも我が家がとってもお世話になってる、八百屋さん。
ここは本当に家計の味方。
ここに来れば、欲しいものが大体他所より破格の値段で手に入る。
形がいびつだったり、ちょっぴり育ちすぎてたり等など、理由あって安いのだがすべて国産の安心お野菜、そんなことは全く気にならない。
口に入れば形なんてどーだっていい。
ただ一つ気がかりだったのは、穂先がだいぶ緑色だったこと。
結構育ってんな〜って感じの子だったが、「1本丸ごと498円(更にちょうどタイムセールが始まり450円になった)」…う〜ん、背に腹は代えられん。
米糠もサービスでつけてもらってその子を抱え、いそいそと連れ帰ったのだ。
…で、翌日。思ったよりはなかなかの量が残ってくれたおかげで、筍たっぷりのたけのこご飯ができた。
えぐ味も気にならず、たぶん私史上1・2を争うくらい美味しくできた…のではないか。(なのに家族はな~んも言ってくれないから、一人で大絶賛する)
毎年毎年のこの手間と私の意気込みを、家族は知る由もないのだなぁ…。
まぁ、私が勝手にやりたくて食べたくてやってるから、いいんだけどさ。