モエレ山の麓・・
ソリをひきながら、山頂を目指していたお父さんが、
大声で子供の名前を呼んでいた。
お母さんの背中で子供がなにかいっている。
今日は風もなく寒さは感じない、雪もちょうどいいやわらかさだ。

わたしも若きお母さんのあとをついて登ってゆくが、
真っ白な雪のなかに吸い込まれるような感覚におそわれて足元が覚束なくなってきた。

「お~い、待ってくれ!」
「おいてゆかないで・・」