Last Angel No.134



♪~//♪~//♪~//



S「鳴ってる…、」

和「や……だ…」

S「切れちゃうから……、」

和「緊急ならね……。掛かってくるはず…。
また…、」



そう言いながら
覆い被さるように
ソファーへ押し倒したら

遠くで呼んでいたはずの「 音 」が
聞こえなくなった。



和「ないわけないじゃない……。」

S「ん…?」

和「次が……。」

S「嫌だ、」

和「俺が……。 嫌だ……。」



触れるだけのキスが
甘く絡み合う頃、、、、





♪~//♪~//♪~//





S「緊急だね 笑」

和「俺には聞こえない……。」

S「鳴ってる 笑」

和「鳴ってない……。」



なかなか離れようとしない俺の唇に
あいつは手のひらを当て



S「聞こえてるでしょ? だから……。ね?」



そう言って微笑みながら
俺の首に手を回し、ハグをしてから
足早に音のする方へ消えた。




和「ね? って……。」




「嘘でしょ?」




ため息混じりに手を伸ばして
近くにあったクッションを手繰り寄せ
お腹に抱き寄せた。




和「どうする……。」




「俺が緊急事態……。」





S「うん、うん……。それで……。」




あいつの声が聞こえるが、
敢えて後ろから抱き付く必要も、
聞き耳を立てる必要も、ない。



何で? って、



あいつの言葉付きで
電話を掛けてきた相手が誰なのか、
解ったからよ。




和「……なに。緊急事態なの? あなた。
ならさ、俺も緊急事態だから……。今。」





和「解る。 解るよ……。
あいつが必要なのは。」


「でもさ、俺も同じなの。」


「ハァ………。」




S「………うん。え…? 嘘でしょ?!」







和「しっかし、長い………。」


「カップラーメン3個食えちゃう……。」




電話なんて情報伝達ツールなんだから

用件伝えれば終わりでしょうよ。



そうやって話してる時間があんならさ、

会って話せばいいじゃない。



心底理解できないのよ。



女の長電話……。





和「わっかんない……。俺には。」





~ 続 ~