未来日記『第83台パチスロオリンピック~神々からの挑戦状』(前編)

今年で83回目の開催を数えるパチスロオリンピック。

「もう、そんな緑の季節か・・・・・・」

前回17台に終わった、月下雷鳴(56)の元にも予選会を知らせる通知が舞い込んできた。

年齢的に感じる衰えからきっぱりと引退を決意したはずだった。

現役パチスロ選手としての一線を退き、指導者としての道を歩む。

ジャグラーで若手の育成に勤しむ未来もあったはずなのに。

しかし、そんな安穏とした未来を俺は望んでいなかった。

あいつともう一度対戦したいんだ。

明星学園上杉和也。無敗のエース。

『奪い返したい。奪われた。奪い返したい。奪われた。奪い返したい。奪われた。奪われた』

14個に切り裂かれたハート。

奴の配球はもう身体に刻んでいる。今回こそ打てる。

14打席のチャンスがあれば3割。そう5打席は奴の渾身のストレートを柳生軍団の待つレフトスタンドへと放り込める。

そしたら、俺はやっとあの約束が守れるんだ。

「マギカを甲子園に連れて行く」

こうして俺はパチスロオリンピック予選に挑むべく手のひらに「マドマギ」と2回書いて飲み込むと平常心を取り戻し打席へと向かったんだっけ。

そんな物語。。。。。。 キュキュキュキュィーーーーーン!



                                                 (つづく)